“運転代行業”の現状…需要回復もニーズに変化「早い時間に依頼が集中」 そのウラで増える“飲酒運転”

感染症の影響が収まり、この夏は会食の機会が増える方も多いのでは?それに伴い増加しているのが、飲酒運転による検挙数だ。新潟県内では2023年は6月末時点で232件と、2022年の同じ時期と比べ10件増え、増加傾向にある。

こうした飲酒運転を減らす役割も担う運転代行業だが、感染拡大を経て業界を取り巻く環境に変化が見られている。

「代行依頼」回復もニーズに変化

夕方、営業開始とともに依頼の電話が入っていたのは、新潟市中央区にある運転代行会社。日が沈みきらないうちから忙しく回る従業員だが、ここ数年は苦しい状況にあった。

中央代行新潟

中央代行新潟 従業員:
お店も減っちゃったよね

中央代行新潟 従業員:
店も減ったし、お客さんも減った

2020年から約3年間に及んだ新型コロナウイルスの感染拡大。飲食店へ休業や営業時間の短縮が度々呼びかけられ、運転代行の需要も低迷した。

中央代行新潟 林圭一 代表:
あの当時は、あすのことも分からなかった。だから大変だった

こう話すのは、中央代行新潟の林圭一代表。感染拡大が落ち着き、代行の依頼は少しずつ増えているというが、そのニーズに変化を感じていた。

中央代行新潟 林圭一 代表

中央代行新潟 林圭一 代表:
今は大体、午後11時や12時に集中する。1時に帰る人、2時に帰る人と3段階くらいに分かれていたのが、今は一気に帰る

昼飲みや1次会での解散が多くなったことから、早い時間帯に依頼が集中。

現場の従業員は…

中央代行新潟 従業員:
依頼者は「7時で」と言う

中央代行新潟 従業員:
新型コロナ禍になって、早く帰る方が増えている。依頼の集中で、待機に戻るということがあまりなくて、車に戻ると次の仕事が入ってくる

一方、ウイルス禍で従業員は半減し、一度に稼働できる台数も限られているため、売り上げにはつながりにくいのが現状だ。

また、林さんは県内で飲酒運転の検挙数が増えていることに複雑な気持ちを抱いている。

中央代行新潟 林圭一 代表:
物価的なものも若干上がってくると、色んな問題があるのだろうね。お客様が運びやすいような料金体制で運んだほうがいいと思うけど…努力はしている

飲み会が増える夏本番、そして年末を見据えて従業員の確保を目指す林さん。そこには、街ににぎわいを取り戻してほしいという願いも込められている。

中央代行新潟 林圭一 代表:
とにかく1本でも多く、1台でも多く、1人でも多くの人が運べるように。人が増えるということは、我々に対してもよくなってくるし、業界がよくなるのだから、それを願うしかしかたない

林さんは「車社会の広い新潟県で運転代行業の果たす役割は大きい」と話す。

営業先の飲食店も減り苦しい状況は続くが、必要な免許の取得に補助を出すなど担い手不足の解消に努めていくということだ。