相撲を始めた頃から“変わらない夢”
大人の男性を相手に相撲をとるのは、中学3年生・阿部ななさん(15)だ。
夢だった世界大会を目前に「うれしいし、楽しみ。戦ったことのない海外の人たちと戦えるのが楽しみ」と意気込む。
満面の笑みを見せるななさんを初めて取材したのは、2018年の夏。すでに小学4年生で日本一になっていた。
小学2年生の頃、「お姉ちゃんが出るなら出たい!」と、出場したわんぱく相撲大会で初出場にも関わらず優勝。
この頃から、ななさんは「世界大会で優勝すること」を夢見ていた。ななさんを取材して5年…この夢がぶれることはなかった。
阿部ななさん(当時小学6年生):
目標は世界大会で優勝すること
阿部ななさん(当時中学2年生):世界大会で優勝したい
小学生の頃から自宅でのトレーニングに使っていたタイヤは、ダンプカーのタイヤから約120kgの除雪車用のタイヤ…現在ではさらに大きい230kgのタイヤに!
転がすタイヤとともに、ななさんも成長。大会が開かれるごとに優勝を重ねてきた。
そして、2022年…相撲のきっかけをつくった姉のさくらさんが競技を引退し、世界一の夢を叶えるために、ななさんのサポート役に回った。
迎えた2023年5月の全国大会。優勝すれば世界大会への出場が決まる中、ななさんは格上の相手を倒して全勝し、夢への挑戦権を得た。
世界大会に向け、稽古では監督の激も飛ぶ。
幼い頃からななさんを指導してきた日水知英監督は「世界大会は見たことがない。どこの国の人が来て、どういう体型の人が来るのか想像がつかないので、非常に困っている」と初の世界大会に不安を感じていた。
また、姉のさくらさんも「若干、緊張じゃないけど、私はリラックスって感じではない」とすでに緊張している様子だ。
サポート側が不安に感じる一方で、ななさんは「コンディションはいい感じ。初めて戦う相手は楽しみ」と重圧は全く感じていないよう。
日水監督は世界一に向けて「数秒で勝負を決する。要するに押し出し。それしか考えていない」とポイントを話す。
ななさんの代名詞となっている“押し相撲”で夢の実現へ!ななさんは最後に堂々と言い切った。
「優勝したい!」