15歳の最強相撲少女! 夢の実現へ
10月7日に東京で開かれた世界ジュニア相撲選手権大会。
新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの開催となった今大会には、16の国と地域から18歳以下の選手たちが集結した。
高校生が多く出場する中、笑顔を見せるのは、日本の個人重量級代表で中学3年生の阿部ななさんだ。
ななさんは、小学4年生の頃から変わらずに持ち続けた「夢」がある。
阿部ななさん(当時小学4年生):
相撲の選手になりたい。世界大会で優勝したい
夢の世界一を目指し、世界大会に初めて出場したななさん。会場には緊張感も漂うが、「調子はいい感じ。緊張とかはない」と胸を躍らせていた。
全国大会ではこれまで12度、日本一に輝いているななさん。緊張はしていないようだが、周囲で飛び交う英語での会話に国内大会との違いを感じているようだ。
ななさんを近くで支えていたのが2歳年上の姉・さくらさん。「ななちゃんは、試合前1人になるのが嫌な子なので、できるだけ一緒にいてあげようとやっている」
姉妹で世界一の夢の実現へ…相手が海外の選手であろうと、ななさんの戦い方は変わらない。「しっかり足を前に出して、当たりの一発で持っていくような相撲を取りたい。下から上作戦!」
世界一へ!いよいよ各国の選手たちと対戦
迎えた初戦…相手はタイ代表の17歳だ。低い姿勢で相手にぶつかると、土俵際で粘る相手を押し倒して、見事初戦を突破!
「ちょっと焦ったけど、ちゃんと脇に手を入れてできたからよかった」と安堵した表情を浮かべるななさん。
続く2回戦の相手は、ななさんより身長が25cmも高いエストニア代表の18歳。この一番も身長差をものともせず相手を圧倒し、土俵外へ押し出した。
これにはエストニアの選手も、「彼女はすごい。今回初めて彼女と相撲をして驚いた」と話した。
夢の世界一まではあと1勝!決勝は、ななさんよりも体格で勝る18歳のドイツ代表。
立ち合いと同時に一気に押し出したいななさんだったが、相手にまわしをとられてしまう。その後も土俵際で踏ん張るが、相手に寄り切られてしまった。
夢の世界一にはあと一歩及ばず、ななさんの表情にも悔しさがにじむ。
しかし、ななさんはこの日、3人一組で戦うジュニア団体戦にも出場。中学生ながら日本の大将を任されていた。
初戦のウクライナ戦で日本の先鋒が敗れ、1対1で迎えた大将戦。勝負は、ななさんに託される。
この重要な一番でもななさんは危なげなく勝利し、大将の役目を全うすると、その後もななさんは全勝し、チームに貢献。日本は団体戦で見事世界一に輝いた。
ななさんの首にかけられていたのは、うれしい金メダルと悔しい銀メダル。それでも、メダルの重みを感じながら初の世界大会に「楽しかった!」と話した。
次なる目標はもちろん!「世界大会個人戦で優勝したい!」
15歳…相撲少女の世界一への挑戦はまだ続く。