一等米比率過去最低も… 「美味しさ変わらない」
「全体的にお米の粒は小さいのですが、とても甘くておいしいお米なので、それをお客様の目の前で羽釜で炊いて、夜は塩むすびにしてお出ししています」
「新潟女将の会」の女将2人が10月16日、東京でアピールしたのは、2023年の新潟県産米について。新潟にゆかりのある首都圏のメディア関係者などに、コメの等級が下がる中でも「美味しさは例年と変わりない」とアピールした。
JA全農にいがたによると、10月13日時点の県産コシヒカリの一等米比率は2.6%で去年の75%を大きく下回り、過去最低に…
ただ、食味の決め手となるタンパク質の含有量は去年と同じ程度であるため、県などは“等級と味は別”として、例年と変わらず美味しいコメになっているとPRしている。
五ツ星お米マイスターの評価は!?
「食べてみると、うまみ・甘みはきっちりと舌に伝わるので、そういった意味では問題ない」
こう話すのは東京・表参道で精米店を営む五ツ星お米マイスターの小池理雄さん。
猛暑でも、うまみ・甘みなど味には問題がないとした一方で、等級が低下したことで粒に異変が生じていると指摘する。
「精米も難しかった。どうしても割れてしまうとかがあって、粒がもろいので炊飯したときにやわらかいというのがあった」
最近のコメの評価は粒の弾力性が重要視されているため、2023年の新潟のコシヒカリは粒がやわらかく物足りなさがあり、品質的には落ちているという評価だった。
小池社長は「そもそもコメは農産物なので『こういう年もあるんだよ』と、こういった状況を楽しんでコメに注目していただきたい」と話す。
コメのやわからさは“炊き方”で調整可能
この小池さんが指摘する粒のやわらかさについて、県はコメを炊くときの水加減や時間の長さを調整することで克服できるとしている。
少し固めにしたい場合は、早炊き機能を使用。さらに固くしたい場合は、水加減を少なめにすることで固めに炊くことができるという。
3合釜で2合炊く場合、内がまの目盛り線1本分少なめにするのが目安。
等級は低下していても、炊き方次第でいつもと変わらぬ美味しさとなる2023年の新潟県産コシヒカリ。
首都圏のメディア関係者は「いまの等級は大変な事態だと思うし、絶対に復活してくれると思うし、コメは新潟の基盤。今回大変かと思うが、ぜひ復活してほしい」と話していた。
消費者の期待を受けながら、関係者の地道なPR活動が続く。