直近の訓練で鼻血や吐き気の症状
黙とうが捧げられ始まった柏崎市議会の総務常任委員会。
議題に上がったのは、10月13日に柏崎市の海水浴場で水難救助訓練に参加していた柏崎消防署の消防士・入澤武弘さん(26)が溺れ、死亡した事故について。
柏崎消防署の山﨑定義署長は「指導者及び訓練者1人が消波ブロックに到着後、入澤消防士の『助けて』という声を聞き、本人が溺れていることを認識した」と事故前後の状況について説明した。
この中で、今年7月に同じ海水浴場で行われた訓練のあとには、入澤消防士が鼻血と耳抜き不良を訴え、9月には訓練途中で吐き気の症状が出たため、訓練を中止していたことが明らかになった。
24時間勤務後に時間外で訓練
この症状は、「ダイバーにとっては珍しくない」と消防側は説明するが、さらに議員から意見が相次いだのは、訓練に臨むまでの入澤さんの勤務状況だ。
柏崎市議:
訓練したその日、深夜2時から4時まで勤務されていて、午前9時20分には現場に行っている
訓練の前日、入澤さんは午前8時半から午後10時まで勤務し、休憩を挟んで2時間の夜間勤務に従事。さらに午前8時半まで働き、午前9時半から時間外勤務で訓練に臨んでいた。
過酷な勤務も…消防長「やむを得ない…」
山﨑署長は「消防業務の性質上、あらかじめ割り振られている勤務時間内に全ての訓練を行うことは困難。訓練は時間外勤務として実施されることが多くなっている」と説明。
「夜勤明けで訓練を行ったこと自体が問題だという認識は?」との問いに対し、小林晴久消防長は「その部分に関しては、やむを得ない部分だと考えている」と答えた。
柏崎市消防本部は再発防止に向け、専門家による第三者委員会を設置し、来週、初会合を開く予定だが、警察は業務上過失致死の疑いも視野に捜査を続けている。