徐々に復旧も… 続く泥のかき出し作業「慣れて疲れ感じない」 地震から1カ月 被災地の今【新潟】

被災地では懸命な復旧作業が続き、徐々に元の景色が戻りつつある一方、復旧への道のりが険しい地域もあります。地震から1カ月が経った被災地の現状を取材しました。
被災地では懸命な復旧作業が続き、徐々に元の景色が戻りつつある一方、復旧への道のりが険しい地域もあります。地震から1カ月が経った被災地の現状を取材しました。

【記者リポート】
「陥没隆起しているところが見られます」

今回の地震で多くの人を苦しめた一つが、水や泥などが地面から噴き出し地盤沈下などが起こる「液状化被害」です。

【桶屋美圭アナウンサー】
「こちらの住宅では、駐車場の地面が隆起して車が傾いてしまっています」

特に被害の大きい新潟市西区善久地区を1月31日に訪れると…

【桶屋美圭アナウンサー】
「新潟市西区。能登半島地震から1カ月が経ち、こちらで行われていた水道の復旧作業も落ち着き、道一面を覆っていた泥もかなりきれいになりました。こちらの住宅は地震後、しばらく隆起した駐車場の上に車が乗っていましたが、車の場所が移っています」

住民やボランティアによる懸命な復旧作業もあり、徐々に元の景色が戻りつつあります。

地震で5年前に建てた自宅が傾いた白倉和子さん。

【白倉和子さん】
Q.この黄色い線のところまで泥が来ていた?
「そうそう」

ボランティアの力も借りながら、3月で79歳になる白倉さんも自ら泥をかき出したと言います。

【白倉和子さん】
「慣れで、もう(疲れを)あまり感じない」

一方…

【桶屋美圭アナウンサー】
「以前、ちょうど雪が降った時に取材に来ました。このあたりは雪に覆われていて見えませんでしたが、今、まだ道路には泥が残っています」

小さな通りに入ると、まだ手つかずの場所も…山田知子さんは自宅に市の被害調査が来ていないと不安を募らせます。

【山田知子さん】
「ここの通りだけ忘れられている。裏の方も前の方もみんな来ているのに、ここだけ来ていないから」

周囲には被災した家に住めず、親戚のもとに身を寄せている人も多いと言います。

【山田知子さん】
「やっぱり(家が)ちょっと傾いていて、寝る時もちょっと変かなというのはある。立ち上がった時にめまいがする感じはある」

今も続く自宅に堆積した泥のかき出し作業。

【山田さんの夫・博さん】
Q.作業は1カ月くらい続いている
「そうですね。土のうは400袋くらい出した」

夫の博さんも被災者に寄り添った支援を訴えています。

【山田さんの夫・博さん】
「早く(調査に)来てくれればね。ちゃんと税金とか払っているから国の方もそれなりにしてほしい」

こちらも被害が大きかった西区寺尾地区。

【ホテル寺尾 勝島猛 代表】
「これはどうしよう…。ちょっと想像だにできなくなってきた。どうしたらいいか」

被害の大きさに当初頭を抱えていたのは、ホテル寺尾の勝島猛代表です。

ホテル寺尾は液状化によって本館と2つの別館が大きく傾き営業に支障が。

それでも客からの励ましの声もあり、勝島代表は建物の建て替えを決意。1月24日に再建に向けた工事が始まりました。

【ホテル寺尾 勝島猛 代表】
Q.ようやく第一歩
「本当に第一歩。やろうと決めるまで随分葛藤したが、やろうと決めた。もう動き出すしかない」

新潟市や国の支援制度についての資料が届いたことで「具体的な道筋が見えてきた」と明るい表情ものぞかせる勝島代表。

補助を受けたとしても自己負担は大きくなる見込みですが、前を向き歩みを進めます。

【ホテル寺尾 勝島猛 代表】
「どこまでやれるかわからないが、私の残りの人生かけて、前向きな気持ちに少しずつなろうと思っている」最終更新日:Thu, 01 Feb 2024 19:45:48 +0900