建て替え検討の中…地震で被災
液状化によって本来の姿を失ってしまった新潟市中央区の鳥屋野球場。
現在、冬期の閉鎖中だが、春以降も再開のめどは立っていない。
新潟市は、地震の前から鳥屋野球場について老朽化や耐震不足から建て替えを検討。2023年に開かれた有識者会議でも、駐車場が狭いことなど様々な問題が指摘されていた。
新潟市スポーツ施設の未来構想会議の西原康行会長は「おおむね今の球場だと限界がある。その中で鳥屋野潟南部にエコスタジアムがあるが、その近隣につくっていくことが適切ではないかということが議論された」と鳥屋野球場をハードオフエコスタジアムの隣に移転させることで、他の都市にはないスポーツエリアを創り出すことが提案されていた。
新たな施設の建設「早急に検討を」
そして2月13日、能登半島地震後初めて有識者会議が開かれた。能登半島地震で鳥屋野球場が受けた被害を共有し、議論が始まった。
委員からは「施設の中途半端な直しをして延命処置をするより、新たに刷新してスピーディに建設を進めるかの議論ができたらいいと思った」「やはりここは前倒しで早急にあるべき姿に検討すべきなのではないか」と現在の鳥屋野球場を復旧させることはせず、新たな施設の建設を早急に検討する必要があるという意見が相次いだ。
その後、1時間ほどの非公開での議論を経て、西原会長は「球場については、鳥屋野潟南部に新しい球場をつくろうという議論がもともとあった。その方向で進めていくということで本日も結論が出た」と提言の内容について決めたことを明らかにした。
一方で、有識者会議は「新潟市のスポーツ施設の将来的なあり方を検討する場である」ことから、移転のタイミングについては提言書には盛り込まなかったという。
有識者による提言は3月末に中原八一市長に手渡される。
一方、新潟市は現在、鳥屋野球場の被害を調査していて、現在の球場を修復するかどうかについては未定としているが、地震をきっかけに鳥屋野球場の建て替えをめぐる動きは加速していきそうだ。