2024年も田植えの時期を迎える中、新潟県柏崎市の田んぼに異変が起きている。一部地域では、田植えの準備に支障をきたすほどの水不足になっているという。一体なぜなのか…その理由について現地を取材した。
少雪などの影響で水不足に…“異例の事態”も
田植えが行われていた柏崎市南条地区。ここで起きている異変が「水不足」だ。
南条生産組合の藤田秀右組合長は「等級がものすごく低かったのが去年の稲作の状況だが、今回は最初から水不足・少雪ということで、なかなか先が案じられる」と話す。
夏を前に一体なぜ水不足が起きているのか…柏崎市では少雪などの影響で、数日前から農業用の水不足が発生。
鯖石川の水をせき止め、農業用水を確保する藤井堰では7日の時点で通常よりも水位が40cmほど下がっていた。
これを受け、柏崎市の櫻井雅浩市長は「鯖石川水系の末端の耕作者から“代かき”ができないという水不足の声があったので5月7日にダムの放流を始めた」と話す。
2023年、ダムの放流を行ったのは出穂期にあたる7月25日で、2024年は2カ月以上早い異例の事態となっている。(ダムの放流は8日午後5時半でストップし、藤井堰は9日時点で通常水位に)
能登半島地震で田んぼに“ひび”が…
この水不足、実は2023年の夏の渇水や冬の少雪だけが要因ではない。
地元の農家は元日に発生した地震で田んぼにひびが入るなどしたため、水が全体に行き渡らなくなっていることも水不足の原因だと話す。
藤田組合長は「水をためると湿りながら上がっていくが、給水をしてもたまって流れていかない、広がっていかないという状態」とその状況を説明。
ひびの入った田んぼの補修を進めながら南条地区での田植えは徐々に進みつつあるが、2024年も夏の高温が予想される中、農家の不安は尽きない。
藤田組合長は「やはり雨に期待はしている。まずは一等米を基準に頑張っていきたい」と梅雨時期の降雨に希望を託していた。