本格的な雪のシーズンに入り、例年増えてくるのが“雪下ろし中の事故”です。事故を少しでも減らそうと、新潟県柏崎市の大学では屋根に積もった雪の重さを計測して様々な技術に応用するための実験が始まっています。
柏崎市の新潟工科大学で建設が進められているのは、屋根に積もった雪の重さを研究するための実験棟です。
【記者リポート】
「実験棟の中に入ってみますと、土台部分には建物全体の重さを量るための荷重計が設置されています。この加重計によって、雪の重さ自体をデータで集められるということです」
【新潟工科大学建築・都市学系 富永禎秀 教授】
「建物と屋根に積もっている雪の重さの合計が出る。それで建物の重さを引くと、雪の重さになる」
屋根雪の重さの計測は、これまで屋根雪の一部をサンプルとして採取して予測していただけでしたが、実験棟では荷重計を使うことで、屋根雪の重さを直接計測します。
富永禎秀教授によりますと、こうしたデータを集めることで、リアルタイムで屋根雪の重さが分かる計測手法や雪下ろしが必要なタイミングを知らせるセンサーなどの技術の開発につなげることができるといいます。
県内では、昨年度、雪下ろし中の事故が36件発生していて、研究の背景には事故を1件でも減らしたいという思いがあります。
【新潟工科大学建築・都市学系 富永禎秀 教授】
「これまで雪の重さというのは非常に経験的なもので感覚的にとらえられていたが、それを実際の数値で知ることができるので、そういった雪下ろしの判断もより合理的にできる」
富永教授は今後5年間のデータを収集する予定で、雪下ろしが不要な住宅の建築方法などの実用化も合わせて進めていきたいとしています。
最終更新日:Fri, 06 Dec 2024 18:32:20 +0900