「負の財産ではない」“空き家”が学生・地域の交流拠点に!近年増加の空き家を学生のアイデアで利活用 新潟・三条市

新潟県三条市に“空き家”を利活用した学生と地域の交流を図るための施設が誕生しました。学生が企画し実現したプロジェクトに、訪れた人は期待感を示していました。
NST新潟総合テレビ

新潟県三条市に“空き家”を利活用した学生と地域の交流を図るための施設が誕生しました。学生が企画し実現したプロジェクトに、訪れた人は期待感を示していました。

■学生のアイデアで“空き家”をリニューアル!

7月10日、三条市に誕生した学生と地域の交流拠点『ろくのわ』。築50年の空き家をリノベーションした施設です。

1階にはイベントなどが開けるフリースペースが設けられていますが、改修前は…2階に設けられた学生が住む共同住宅のスペースの壁が黄ばむなど、長い年月をかけて刻まれた生活感が感じられる状態でした。

そんな空き家を活用しようと考えたのは、三条市立大学の学生などからなる学生団体『まちのわ』のメンバーたちです。

【学生団体まちのわ 今井愛樹さん】
「新しいものをただ建てるというのはいいと思うが、建物が使われなくなったときに、またその建物が危険になってしまって、どんどん空き家が増えていくと思う。だったら、今ある空き家を利活用していくほうが将来の地域のためにも、得にもなるのかなと思った」

三条市によりますと、空き家に関する相談件数は2021年度の30件から昨年度は745件とわずか4年で約25倍に。

放置すると住宅倒壊など様々な問題につながる空き家。三条市では、補助金の支給などにより空き家の活用を後押しています。

【学生団体まちのわ 今井愛樹さん】
「空き家をイメージすると、多くの人は“負の財産”という考え方をすると思う。負の財産ではなくて、実は活用の仕方があると考えることもできると思う」

大学の産学連携の実習を機に空き家の活用に興味を持ったという『まちのわ』。学生が地域と積極的に関われる施設をつくることで三条市の企業への就職などにもつなげたい考えです。

■「地域の人と関わりやすい場所」空き家の持ち主からも喜びの声

7月から入居する予定の学生も未来に胸を膨らませます。

【入居予定の学生】
「地域の人と関わりやすい場所だと思っているので、関わっていけたらいい」

住居スタイルが今と昔では大きく様変わりする中、若者にとってはかえって新鮮に感じる部分もあるようです

【入居予定の学生】
「友達を呼べるならバーベキューとかしたい。縁側もあって楽しいかなと思う」

そんな新しい視点から生まれた工夫も。

【高濱優生乃アナウンサー】
「日本家屋特有の床の間に設置されている本棚。実は使用されていない桐だんすの廃材を使用して学生が作成したということです」

この空き家が実家だったという女性も喜びを口にします。

【空き家の持ち主 小日向尚代さん】
「裏の戸を開けると風が良く入るとか、そんなことあんまり感じたことがなかったが、きょうお話しいただいて良いところがいっぱいあったんだなと。それを皆さんで活用しながら実感していただければ私はすごくうれしいし、亡くなった父もすごく喜んでくれると思う」

若者・地域・企業の連携で三条市の未来をつなぐ空き家活用。施設では7月12日、1回目の交流イベントが実施されます。

最終更新日:Fri, 11 Jul 2025 19:21:36 +0900