まもなく小学校や中学校、高校の夏休みが明け、授業が再開される。長期休暇の生活リズムに慣れ、学校に行きたがらない子どもも多いのではないだろうか。夏休み明けの子どもにどう対応すべきなのか、心理学に詳しい新潟青陵大学の碓井真史教授に対処法を聞いた。
■夏休み明けの子どもの心の変化に注意
「学校がどんなに楽しい場所だとしても、やっぱり家にいる方がリラックスできて、自由に振る舞えるわけです。そこからもう一度、いろいろ苦労しなければいけない。学校に戻るのは、大きな心のエネルギーが必要です」
こう話すのは、新潟青陵大学の碓井真史教授だ。まもなく学校の夏休みが終わり、授業が再開する。自由に遊ぶことができた生活から一転、学校生活に戻ることで「心の変化」に注意が必要だという。「学校に行きたくない」と話す子どもも多くいそうだが、その際、親はどう対応すればいいのか。
「小さい子の場合は、行きたくないと言っても学校に行かせてしまえば、その後は元気で問題なしという子もいます。でも、ある程度大きくなると本当に辛くて泣きじゃくっているような子を無理やり力づくで行かせると、逆効果」
無理に行かせるべきか、徐々に慣れさせてあげるべきか…碓井教授は、その見極めについて、「心は正直とても難しい。だから本人の話をよく聞きながら、少しずつ試してみるしかありません。「早く学校に行きなさい」と言いたくなるのは当然だと思いますが、この子は今何を思っているのだろうと真剣に聞いてあげることが必要だと思います」と話す。
■いつもと何か違う…その時の対応は?
特に夏休み明け1週間~2週間ほどは子どもの様子をよく観察してほしいと話す碓井教授。何か様子が変だなと感じた際には…
「いつもと何か違う、あれ?と思った時に一言声をかけられるかどうかが大事です。「どうしたの?」「大丈夫?」と聞くと大抵の返事は「大丈夫」と答える。そこで終わってしまうと解決できないので、一言声をかけて、もう一言。一緒にお茶でも飲むとか、おまんじゅうがあるよ、など話をつなげていく。雑談している中で悩みを話してくれるかもしれませんし、その日話してくれなくても次の機会に話してくれるかもしれません」
■楽しかった夏休みの思い出を振り返る
久しぶりの学校に行くのに気が重くなる子どもも多くいると思うが、その子どもたちへの対応として、碓井教授が提唱するのが、「ピークエンドの法則」だ。
「夏休みの中で一番楽しかった出来事を思い出す。夏休みの終わりを上手に終わる。子どもなりに頑張っています。楽しいこともあったはずですが、それを自覚させてあげる。「これ頑張ったね」「これ楽しかったね」と声をかける。「楽しかったね」と気分よく夏休みを終わることで、気分よく新学期が迎えられます」
授業が再開するまでに、生活リズムを戻すことも重要だが、同時に親子の会話の時間をいつも以上に設けることも重要と言えそうだ。
(新潟ニュースNST編集部)