

新潟県上越市で廃業した老舗旅館をホテルやオフィスのほか、観光情報発信の機能を備えた複合型旅館へとリノベーションする工事が進んでいます。目指すのは地域全体の活性化です。
■歴史ある老舗旅館を“複合型旅館”に!

上越市高田駅近くの仲町商店街で明治初期から150年にわたり愛されてきた『旧鈴木旅館』。
10年前ほどに廃業しましたが、新たな“鈴木旅館”として生まれ変わらせようとリノベーション工事が進んでいて、9月23日、現場が市民などに公開されました。
【記者リポート】
「建物の中、当時の歴史を感じるような梁や枠組みが見られるような状態となっています」
客室として生かせる部屋はそのまま生かすといいます。
【プロジェクトスタッフ】
「基本的に畳の和室だが、増改築を繰り返している中で、少しずつ客室ごとに内装や壁の色、障子・押し入れの形が違ったりというのはある」
【見学に来た人】
「再利用がいい。昔のものを無駄にしないで」
【見学に来た人】
「150年経っても、しっかり建築されているので、このまま使っていただきたい」
新たな鈴木旅館は全10室の宿泊施設だけでなく、30席あるコワーキングスペース、観光案内機能などを備えた複合型旅館になる予定です。
■“地元の声”を大切に…地域全体の活性化目指す

そんなリノベーション中の建物を市民に公開する理由が…
【総合プロデューサー 後藤寛勝さん】
「私たちがよそ者という形で、こういった歴史あるものを壊して、つくらせてもらっている責任・プレッシャーから逃げないというか、向き合うことがすごく大事。文句も意見も全部もらったうえで、みんなに求められているものをつくっていく」
今回、地域の企業グループとともにリノベーションを手掛ける新潟市出身の後藤寛勝さんは地元の声を大切にしながら取り組みを進めたいと話します。そのうえで…
【総合プロデューサー 後藤寛勝さん】
「この宿泊施設だけで体験を完成させないということを非常に重要にしている。なので、街に出ることで完成する宿泊体験というのが鈴木旅館のコンセプト」
目指すのは地域全体の活性化です。
【プロジェクトスタッフ】
「普段、オフィスを設計するとき、カフェなどがあると働く人にとって便利。でも、今回それはあえて設けていない。この地域のカフェや飲食店にところに行ってもらえると、地域全体が盛り上がる」
こうした考えに地元の人は…
【上越市民】
「すごく良い機会というか、機運として街が明るくなる」
【上越市民】
「街ぐるみで注目が集まるようになるといい」
【総合プロデューサー 後藤寛勝さん】
「誰かにとって忘れられない体験、誰かにとって忘れられなかった場所にする。本当に必要とされているものを、自分たちよがりでなく大事にしたい」
地元の声を大切にした新たな切り口で地域活性化を。
鈴木旅館は10月17日から宿泊のみを受け入れてモニタリングを行い、来年1月に本オープンする予定です。
最終更新日:Thu, 25 Sep 2025 05:00:00 +0900