
実りの秋を迎え、新米が出回っていますが、コメは依然高値が続いています。こうした中、安定的なコメの供給に向け、新しい栽培方法が注目されています。
新潟市の農業法人が管理する新潟市北区の田んぼ。
暑さに強い品種『にじのきらめき』の試験栽培に採用された方法は…
【ベジ・アビオ 加藤和彦さん】
「節水型乾田直播(かんでんちょくは)」
コメ作りといえば、田起こしのあと、水を張った田んぼに苗を植える“水稲栽培”が一般的ですが、水を張らない乾いた田んぼに直接種をまくのが“乾田直播”です。
中でも、田植えから収穫まで一切水を張らないのが“節水型乾田直播”と呼ばれる革新的な稲作方法です。
【ベジ・アビオ加藤和彦さん】
「水稲栽培では水の管理は毎日するものだが、節水型乾田直播は水を張らずに週に1回流す程度なので、毎日の水管理から解放されて労力が削減できる」
農林水産省によりますと、この方法で作業コストを6割削減できるほか、水を長期間張らないことで温室効果ガスであるメタンの排出も削減できると言います。
さらには、水の使用量を抑えられることから、猛暑や水不足といった気候変動に左右されないコメ作りも期待できます。
大きなメリットがある一方で…
【BASFジャパン 坂田益郎さん】
「水がない状態だと、わんさか色んな雑草が色んなタイミングで生える」
水を張る通常の栽培に比べて、雑草の処理が難しいという課題も。
それでも、コメの高値が続く中、生産コストを下げることができる新たな栽培方法に大きな期待が寄せられます。
【ベジ・アビオ加藤和彦さん】
「今のコメ不足を解消しながら、よりコストの安いコメを具現化できたらと思う」
コメの安定的な生産・供給に向けた新たな一手となるか…関係者は今後、品質や収量などを詳しく分析することにしています。
最終更新日:Fri, 03 Oct 2025 05:00:00 +0900