これから迎える冬は電気代とガス代もかさんでくる。物価が家計を圧迫する中、これ以上の出費は抑えたいところ…今の暮らしを見直すだけでも省エネにつながるポイントがあるようだ。新潟県長岡市出身の節約アドバイザー・丸山晴美さんに冬の省エネのポイントを聞いた。
省エネに4つのポイント
気温が下がり、暖房器具を出し始めたり、エアコンの暖房をつけ始めたりする人も増えてきているのではないだろうか。そこで心配になるのが、冬の電気代やガス代だ。節約アドバイザーの丸山晴美さんは、冬の省エネには4つのポイントがあると話す。
それが、「窓」「湿度」「温度」「範囲」だ。これらを意識して暖房を使うと、節電の効果が高くなるという。
省エネポイント①窓
丸山さんは「冬は窓ガラスから外の冷気が入り込んで、せっかく暖めた空気が窓ガラスを通して逃げていってしまう」と指摘。このため、大切なのは、厚手のカーテンをしっかり閉めること!
「万が一、床との間に隙間があれば、筒状に丸めたバスタオルを隙間に置くだけでも暖めた空気を逃がさない効果がある」
カーテンの丈が合っていない、厚手のカーテンがない場合は、思い切って断熱性能が高いカーテンに買い換えることも節電には重要だ。丸山さんは「できればファンヒーターは窓側に置くこと」を推奨。ファンヒーターを窓側に置くことで、ファンヒーターが下に溜まっている冷気を吸い取り暖かい空気を部屋に放出するため、暖房効率が上がる。見逃せないポイントだ。その際、カーテンに近づけすぎないように注意が必要です。
省エネポイント②湿度
「湿度が高くなると体感温度が上がる」と話す丸山さん。乾燥しがちな冬の室内。
湿度を上げるために洗濯物の部屋干しや加湿器の使用がおススメだ。
省エネポイント③温度
寒いとついつい暖房器具の設定温度を上げてしまいがちになるが、丸山さんは「設定温度を上げることでエネルギーをたくさん消費して、電気・ガス・灯油をより多く使ってしまう」と強調。
そこで、丸山さんが提案する設定温度は”20℃”だ。やや低いと感じる人もいるかもしれないが、”設定温度20℃”を叶えるのに必要なのが、家庭での「ウォームビズ」。
丸山さんは「着て体を暖めるということ。1枚多く羽織るとか、靴下を履く、レッグウォーマーを履く、ネックウォーマーをすることで、省エネできる」とアドバイスする。
省エネポイント④範囲
「省エネにおける”範囲”というのは、温める範囲を狭くしましょうということ」と話す丸山さん。そこで大事なのは、家族がバラバラの部屋で生活するのではなく、1つの部屋で電気製品・暖房をシェアすることだ。
また、リビングと和室をつなげて空間を広く使っている場合も、戸で仕切るなどして”範囲”を狭くする工夫が省エネにつながる。
風呂の”自動ボタン”は省エネの敵?
一方、ガスの節約につながるのはなんと言っても風呂の入り方だ。中でも丸山さんは、「一番の鍵になる部分は風呂の自動運転」と指摘。
「自動運転にすることで保温状態が続き、湯量が減ったら足すという便利な機能だが、ガス代としては節約にはならない」
湯張りが終わったら、まず自動運転をオフにすることが節ガスにつながる。さらに、家族全員が時間を空けずに入浴を済ませることもガスの節約に大きな効果があるという。
省エネには一家の団らんが一番!
「これから暖房器具を出す人は、事前に清掃点検を行ってほしい」と丸山さんは呼びかける。エアコンもフィルターの掃除を1カ月に2回程度行うことも重要だ。フィルターにほこりがたまることで冷暖房の効率が下がってしまうという。掃除機で軽くとるだけでも効果があり、節約にもつながる。
そして、丸山さんは「家族がバラバラだと暖房効率も下がるし、お風呂の回転効率も下がってしまう。ぜひこの冬は家族仲良く過ごすことをテーマにしていただけるとよろしいかなと思う」と笑みを浮かべる。
電気代やガス代がかさむ寒い冬、家族仲良く乗り越えたいものだ。
(新潟ニュースNST編集部)
丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。
著書・監修書は『「大人のおしゃれ手帖」特別編集年間100万円!がんばらなくても貯まるお金の習慣』『InRed特別編集シングル生活を最高に楽しむ!お金と上手に暮らす本』(ともに宝島社)など多数
公式HP「らくらく節約生活。」http://www.maruyama-harumi.com
丸山晴美さんに聞きたい!『お金に関する質問』はコチラから
※今後、当サイトにて取り上げる可能性があります











