クマの出没が全国各地で相次ぐ中、10月末には新潟県阿賀野市の建設会社の倉庫にクマが侵入し、居座る事案が発生した。地元の猟友会は麻酔銃による緊急銃猟を実施し、クマは捕獲されたが、現場は緊張感に包まれていた。クマが閉じこもり、捕獲されるまでの一部始終を振り返る。
建設会社の倉庫に“子グマ”閉じこもる
10月31日午前10時半前…建設会社の社員から「クマがうろついている。会社の建物内に入って閉じこもった」と通報があった。
倉庫に入ったのは体長50cmほどの子グマだ。
このクマが閉じこもっている時、建設会社の社長は「日中はシャッターが開けっ放しなので、シャッターの中にそのまま入ってしまった。最初は下のほうにずっといたが、それが今度は上って、今はだいぶ上のほうにいる」と話した。
侵入前には周囲うろくつ様子も
倉庫に侵入する前から周囲をうろつく様子が目撃されていたクマ。
実際に目撃した人は「クマの勢いはよかった。そこからまっしぐらに走っていった」「柿を食べに来るみたい」などと振り返る。
クマが現れたのは住宅街だったため、クマが倉庫に入ったところで、建設会社の社長がシャッターを閉じたという。
約5時間後…“緊急銃猟”で捕獲
そして、午後1時前に猟友会が到着。
安田猟友会の五十嵐富雄社長は「角の一番高いところで、柱じゃなくてシーチャン(鋼材)にしがみついてじっとしている」と話した。
麻酔銃が到着するまでは警察などがクマの状況を確認していたが、外の物々しい気配を察知したのかクマにも動きが…。
その後、麻酔銃が到着し、準備を終えると猟友会が捕獲へと向かう。
そして、午後3時半前に阿賀野市長の許可を得て緊急銃猟を実施。麻酔銃を使ってクマを捕獲した。
阿賀野市農林課の遠藤忠弘課長は「棚の上から撃ち手がエンジンポンプの奥にクマがいたのでそれを撃った」と話す。
周囲に親グマいる恐れも…引き続き警戒
クマが倉庫に居座ってから約5時間。無事に捕獲されたことで建設会社の社長も「ほっとした。とりあえず周りにも被害がなく終わったのでよかった」と胸をなでおろしていた。
ただ、周囲に親グマがいる恐れもあることから、阿賀野市などは周辺の住民に引き続き警戒するよう呼びかけている。










