【クマ被害】柿の木に居座るクマとこう着状態も…“緊急銃猟”で駆除 養鯉池で“ニシキゴイ”捕食するクマも目撃

クマの出没が後を絶たない。新潟県五泉市では住宅街にクマが出没し、緊急銃猟が行われたほか、小千谷市ではニシキゴイを食べるクマの姿が目撃されている。

自宅の柿の木に?「びっくりした…」

「びっくりした。はじめは黒いナイロンが引っかかっているのかと思った」

クマが出たのは五泉市小搦の石田重夫さんの自宅の敷地内だ。

クマが登っていた柿の木

13日朝、石田さんが柿の木の様子を見に行ったところ体長60cmほどのクマを見つけたという。ただ、クマの痕跡を発見したのは、これが初めてではない。

石田さんは「落ちていた柿はクマが食べたのか分からないが、まるっきり1つもなかった。食べられていた」と話す。

付近では、ほかにもクマの目撃情報が相次いでいた。

付近に住む人は「何日か前。土手のところに子グマがいたと」「クマが出たのは3日前。この辺を行ったり来たりしていたのでは。いつ出てくるか分からないから怖い」などと話す。

膠着状態の末…緊急銃猟で駆除

この日発見されたクマは、その特徴から付近で目撃されていたクマと同じ個体とみられていて、石田さんの連絡を受け市や警察・猟友会が現場に到着したが、クマはその後も柿の木に居座り、こう着状態に。

緊張感が高まる中、市が対応を協議した結果、緊急銃猟の実施を決定。地元の猟友会が発砲し、午後1時前に駆除された。

石田さんも「気分が楽になった。3日間も家の中にばっかりいたものだから」と胸をなでおろした。

ただ、五泉市ではほかの地区でもクマの目撃情報が相次いでいることから警戒を続けている。

“ニシキゴイ”を食べるクマも…

一方、小千谷市南荷頃では12日夕方に目撃情報が。

目撃されたのは、養鯉池。池の周りにはうろこなどの残骸も残っていたが、目撃者がそこで見たのは泳ぐ宝石とも言える“ニシキゴイ”を食べる体長1mほどのクマだ。

クマが現れた養鯉池

目撃した人は「コイを食べている感じで、こちらには多分気がついてなかった。私も本当に寸前まで気づかなくて、顔を上げたらいたという感じ」と話す。

前日にも何者かに養鯉池の網が荒らされていたため、見回りをしていたところクマがいたという。

「びっくりして、もう家族に知らせなきゃという感じで。ちょっと怖い。やっぱり実物を見ると」

池の周りには残骸が…

現場では市役所の職員が被害の状況を確認していたが、養鯉池では20cmほどのニシキゴイが複数匹食べられたとみられている。

エサとなるブナの凶作でどこに現れてもおかしくないクマ。警戒が必要な状態はまだしばらく続きそうだ。