当時中学生だった横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから11月15日で48年。2002年に5人の拉致被害者が帰国して以降、拉致問題に進展はみられていない。めぐみさんの母・早紀江さんが現在の心境、高市首相への期待を語った。
「もう会えないのかなと…」
下校途中だった当時中学1年生だった横田めぐみさんが新潟市で北朝鮮に拉致されたのは1977年11月15日。
「精も根も尽き果てたという感じ。もう年がいってきて。本当にもう会えないのかなと思う時もあるし、それはそれでも仕方がないなと思う時もある。長さに対してどう思いますかと、あ然とするばかりで考えようがない」
娘が拉致されてから48年という歳月が経とうとする中、現在の心境についてこう語っためぐみさんの母・早紀江さん。
「どうすれば解決の方向に向かうのかということがわからない。国民の私たちには…」
拉致被害者の親世代は早紀江さん一人に
日朝首脳会談をきっかけに2002年に5人の拉致被害者が帰国した時、めぐみさんの姿がないことに涙しながらも他の家族の様子を写真に収めていた父・滋さんは、娘との再会を果たせぬまま5年前に他界。
帰国を果たせていない拉致被害者の親世代は26年2月で90歳を迎える早紀江さん一人となっている。
「どこまでいけるのかなと。本当に私たちも体力がなくなってきた。前のように元気でないのはわかっている」
高市首相に期待感
ただ、早紀江さんが期待を寄せる人物がいる。10月21日に就任した高市首相だ。
「色んなことも勉強なさっているようだし、なかなか芯の強い方だし、『こんな悪いことをいつまでも放っておくことはできない』とはっきりおっしゃってくださったから、そういう意味では非常に期待をしているところ。今」
早紀江さんなど拉致被害者家族と面会し、「もちろん金正恩委員長との首脳会談に臨む覚悟もできている」と覚悟を口にした高市首相。
その5日後には、日米首脳会談で訪れていたアメリカ・トランプ大統領との予定になかった面会を実現させ、トランプ大統領から「私たちはこの問題を忘れたことはない。再び皆さんに会えて光栄。私たちでやれることはやる」との言葉をもらった。
さらに、それから1週間も経たずして「すでに北朝鮮側には首脳会談をしたい旨お伝えしている」と北朝鮮側に日朝首脳会談の開催を打診したことを明らかにしていた。
家族会が発足して以降、14人目となる総理が“行動”と“言葉”で問題解決への意思を示すことで高市首相への期待と信頼は高まっている。
早紀江さんは「なかなか、そこまで言って立ち上がってくださる、意気込みを感じられるというのは初めてな感じ。高市さんは女性だけどすごいなという思いは持っているし、期待をしている」と期待を寄せる。
拉致被害者・蓮池薫さん「今後が正念場」
その一方で、高市首相が日朝首脳会談を実現し、解決に結び付けられるか、高市首相の手腕が試されていると拉致被害者の蓮池薫さんは話す。
「呼びかけたということだけで事態が動くのではないかという期待はあまり持てない。今後が正念場、実力の発揮どころかなというふうに見ている」
48年という歳月…娘との再会を願い続けてきた早紀江さん。
「必ず1回でも、ほかの家族もみんな家族と会えるようにお願いしますというお祈りはいつもしている」
政府にはその願いを一日も早く実現することが求められる。











