
新潟県は11月26日、総額約73億円の補正予算案を発表しました。花角知事が再稼働を容認する判断を示した東京電力・柏崎刈羽原発をめぐり、再稼働を前提とした3100万円余りの広報費を計上。12月2日に始まる12月県議会で審議されます。
花角知事が26日に発表した県の12月補正予算案。
総額は73億5700万円で、このうち柏崎刈羽原発の重大事故に備えた避難道路の整備費に22億6000万円を高病原性鳥インフルエンザの発生に伴う防疫対策費などに20億円あまりを計上しています。
一方、これらの事業と議案を分ける形で計上された予算が…
【花角知事】
「先般発表した再稼働に関連する補正ということで、広報の強化に必要な経費について補正予算を計上している」
柏崎刈羽原発の安全対策についての広報費約3100万円です。
県は11月、結果を公表した県民意識調査で再稼働に否定的な人の3割あまりが原発の安全確保の状況について「わからない」と答えた一方、安全対策に関する認知度が高い人ほど再稼働に肯定的な傾向がみられると分析。安全対策についての周知不足を課題に挙げていました。
今回、予算計上された広報事業は安全対策を説明するリーフレットを配るなどするもので、再稼働した場合に受けられる国の再稼働交付金を活用します。
【花角知事】
「認知度が上がっていけば肯定的な人は増えるであろうとは思っている。再稼働への理解が深まることは狙いとしてはある」
再稼働をめぐり、21日、避難道路や屋内退避施設の早期の整備などを国に求めた上で容認する考えを表明した花角知事。この判断について県議会で信任・不信任を仰ぐとしました。
これを受け、県議会最大会派の自民党は知事の判断を信任する方針を決め、どのような形で信任を示すのかは今後検討するとしています。
こうした中で、今回そのほかの補正予算からあえて再稼働を前提とした広報費のみ議案を分けた狙いは…仮にこの議案が可決された場合、それを持って信任を得たとみなす可能性があるのか問われた知事は次のように話しました。
【花角知事】
「分けたほうが議論しやすいだろうということで、議会がどういう形で意思を表示するか私にはわからない。議会にお任せしている。私は職務を続けることについての信任・不信任を議会に諮っているつもり」
ボールを渡された県議会でどのような議論が展開されるのでしょうか…12月県議会は12月2日に始まります。
最終更新日:Thu, 27 Nov 2025 05:00:00 +0900



