
東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働を容認する考えを示した新潟県の花角知事がその判断について信を問う場とした12月県議会が開会しました。県は再稼働を前提とした原発に関する広報費を盛り込んだ補正予算案を提出。どのような形で信任・不信任は示されるのでしょうか。
■知事の再稼働容認判断めぐり…注目の12月県議会始まる
【市民団体】
「県議会だけで再稼働を決めるな」
【齋藤正昂アナウンサー】
「県議会の1階には特設の傍聴受付が設けられました」
大きな注目の中、開会の日を迎えた12月県議会。焦点となるのは柏崎刈羽原発の再稼働をめぐる花角知事の判断についてです。
【花角知事】
「柏崎刈羽原発の再稼働については県民の中で賛否は分かれているものと思われるが、県民に対し、原子力発電に関する正確な情報の提供と防災対策の周知を継続して行うことで再稼働に対する理解は広がっていくものと判断した」
所信表明で再稼働を容認する判断を説明した花角知事は、その判断について議会で信任・不信任を仰ぐ考えを改めて表明しました。
【花角知事】
「知事の職務を続けることについて県議会の信任が得られたならば、立地地域、さらには県全体の経済社会の活性化とともに、県民の安全・安心の向上に最大限努力してまいります」
【傍聴席】
「公約違反だよ」
「県民は不安に思っているぞ」
これまで「県民に信を問う」と繰り返してきた花角知事に対し、傍聴席から批判の声もあがる中、知事は原発の安全対策に関する広報費などを盛り込んだ補正予算案を提出。
これは再稼働した場合に受けられる国の交付金を活用するもので、事実上、知事の再稼働判断の是非を問う内容です。
【傍聴に訪れた人】
「議会で諮って予算をつけて決めてしまおうという態度は違うのでは」
【傍聴に訪れた人】
「知事が決めたことには従うというのも私たちの務めでは」
■どう“信を問う”?最大会派・自民は具体的な方法明らかにせず
賛否が渦巻く中、ボールを渡された県議会。最大会派の自民党は知事を信任する方針を決め、予算案に信任の付帯決議を提出する案も浮上していますが、いまだ具体的な方法は明らかにしていません。
【自民党県連 岩村良一 幹事長】
「他会派の動向もあるので、しばらくは委員会等の質疑を見ていく中で決まっていくものと思っている」
一方の野党系・非自民系会派は…
【未来にいがた 大渕健 代表】
「信任・不信任を制度上できるのは県議会だという趣旨の話を(知事は)しているが、知事の職を信任しているは選挙。直接」
選挙や県民投票で信を問うべきだとして知事の姿勢に反発しますが、結果の見えている不信任決議案の提出に踏み出すには至っていません。
【リベラル新潟 小泉勝 幹事長】
「単独で(不信任決議案を)出して反対が大多数でつぶされるというのも形がよろしくないと思うので、本当に難しいというか悩ましい」
信任・不信任をめぐり、会期終盤まで続く見込みの議会の駆け引き。
【花角知事】
「(Q.どんな議論を期待?)議会での熟議をお願いしたいと思う」
採決は12月22日に行われます。
最終更新日:Wed, 03 Dec 2025 05:00:00 +0900



