拠点は駄菓子店!町に再び活気を
長岡市寺泊竹森にある「駄菓子屋ハブ」。
客:楽しい。自分が子どものころ「こういうのあったな」とか
昔の子どもまでをもワクワクさせる駄菓子の数々。店の自慢は品揃えなのだとか…
駄菓子屋ハブ 堀川強さん:
400種類くらい駄菓子がある。新潟県内の駄菓子店でもトップクラスの品揃え
約400種類の駄菓子が並ぶ店の説明をしてくれたのは、店長見習いの堀川強さん(25)。
駄菓子屋ハブ 堀川強さん:店長の“福本先生”も…
店長は福本先生…?その答えは長岡造形大学にあった。
店長見習いの堀川さんも参加する研究室で学生に話をしていたのは、地域コミュニティーを研究テーマにする福本塁准教授。
長岡造形大学 福本塁 准教授:今、日本全国で人が減ってきている
駄菓子屋ハブは福本准教授のアイデアで「学生と地域貢献しながら課題解決を実践する場所」として2022年9月に営業を始めた。
長岡造形大学 福本塁 准教授:
人口が減るから町が衰退する。衰退を待つのではなく、自分たちが活気の火付け役になれるんじゃないかということを試したい
かつて美容室兼住宅だった駄菓子屋ハブの建物。
長岡造形大学 福本塁 准教授:
まちづくりとして、空き家再生に取り組むのにふさわしい場所を探していた
店の少ない通りにある元美容室を研究と実践の場所に選んだのには、福本准教授の狙いがあった。
長岡造形大学 福本塁 准教授:
もともとここは、色んな店が並ぶ通りだった。駄菓子屋さんも4軒ぐらいあったとか。かつて、にぎわっていた事実があれば仕組みをつくることで、もう一度にぎわう場所になる
アートを通して地域と交流
できることは学生の手で。空き家を改装した駄菓子屋ハブには、種類が豊富な駄菓子の他にも魅力がある。
福本准教授が2020年から進める「MAKIND」は、アートなどを学ぶ長岡造形大学の学生が作品を商品として販売するプロジェクト。
美術工芸を学ぶ立花凜音さんと視覚デザインを学ぶ平塚はるのさんは、スマートフォンなどに使うシールを制作。
視覚デザインを学ぶ田岡流美子さんが手作りするピアスの材料は…
長岡造形大学2年 田岡流美子さん:
私が偏頭痛持ちで、よく薬を服用する。残ったシートを何かに使えないかなと思って
錠剤の薬を保護するシートで作る個性的なピアス。
駄菓子屋ハブでは、MAKINDに参加する学生のユニークな発想の作品も販売されている。
長岡造形大学2年 田岡流美子さん:
大学で自分の作品を展示する機会は学祭ぐらいしかない
長岡造形大学2年 伊佐知実さん:
学校だけでは学べないことが、地域の人と関わることで学べる
お小遣いを計算しながら駄菓子を選ぶ子どもたち。
昔の経験を子どもに話す保護者に、学生が手作りしたアクセサリーを楽しむお母さん。
お母さん:
これ(田岡さんが作ったピアス)、すごいなと思う。捨ててしまう物をかわいくしている。学生さんの知恵とアイデア
売れる商品や大勢が楽しめる場所を学生自身が悩み考えることで、卒業したあとも学生が活躍してくれるのではないかと福本准教授は考えている。
長岡造形大学 福本塁 准教授:
作品制作やにぎわい創出を経験して、卒業後、それぞれの地域に戻ったときに、自分たちで地域をよくするコミュニティーをつくってほしい
客:
私も学生のときはあったけど、ここまで地域のために何かしたことはないので
客:
大満足。ぜひ、長く続けてほしい
来店した人の喜びを学生の達成感につなげ、その輪を多くの地域へ!
小さな駄菓子とアートの力が空き家に笑顔を呼び込む。