段ボールからネコの鳴き声…なぜ?“子ネコ”が捨てられる事案相次ぐ「大切な命捨てないで」【新潟市】

新潟市動物愛護センターは2023年度に入ってから、わずか2カ月間に3件・15匹の子ネコが捨てられたと発表した。春は猫の繁殖期でもあることから遺棄の件数が増えると言う。その実態を取材した。

4月・5月に相次いだ子ネコの遺棄

新潟市東区のごみステーション。

記者リポート:
ゴミ集積場の脇に段ボール2箱が置かれていて、それぞれ4頭・3頭ずつ計7頭のネコが捨てられていたということです

ごみステーションの横に捨てられていた子ネコ

 

4月、段ボールの中から見つかったのが7匹の「子ネコ」だ。

通報した人:
段ボールの箱の中から「にゃんにゃん」というネコの泣き声がするということで、どうしたんだろうと。段ボール箱はテープが貼られて閉じられた形。「なんでこんなことするんだろう」と思って

新潟市内では、5月にも2件・8匹のネコが捨てられていて、いずれも動物愛護センターによって保護された。

新潟市動物愛護センター 登坂友一 所長:
今年にかぎっては、なぜか4月・5月で3件出ているというような事実で、これ以上こういった事件を起こさないでほしいという願いで発表させてもらった

新潟市内では、2022年度も3件・10匹のネコが遺棄されたほか、2021年度は12匹、2020年度は14匹の子ネコが捨てられ、動物愛護センターによって保護されている。

なぜ?子ネコが捨てられる背景は

なぜ、毎年ネコが捨てられる事件が相次ぐのか。

新潟市動物愛護センター 星野勇矢さん:
1回の出産で最大8匹産まれると言われている。妊娠期間も短いので、すごい勢いで増えてしまう

ネコは生後半年ほどで妊娠が可能になる上、年に数回出産できることから、メスを一匹飼うと1年後には20匹以上、2年後には80匹以上、3年後には2000匹以上になり、多頭飼育崩壊を引き起こす可能性がある。

尊い小さな命を守るためにもネコを飼育する際には室内で飼うこと、不妊去勢手術をすることが重要だ。

新潟市動物愛護センター 星野勇矢さん:
外出してしまうと、不妊手術をしていない場合、気が付けば妊娠して帰ってきているということもある

やむを得ない事情などで育てられなくなった場合は…

新潟市動物愛護センター 星野勇矢さん:
動物愛護センターや動物愛護団体などの身近な人に相談することから始めてほしい

また、これからの時期は段ボールに入れて遺棄すると、ネコが熱中症になってしまい、生存確率が低くなってしまう。

かわいいからと一時の感情で飼うのではなく、責任を持って育てることが大切だ。