チャボの死を隠すため驚きの行動に…
長岡市にある悠久山小動物園のケージの中で仲良さそうにくつろぐのは、オスとメスの「碁石チャボ」2羽。
とさかの大きいほうがオスのチャボだが、実はこのオス、本来この動物園にいるはずのチャボではなかった。
2023年1月6日の夕方、職員が1羽のチャボが死んでいるのを発見。
このとき、職員からチャボの死について報告を受けた動物園の現場責任者の60代男性職員は、その後、上司への報告や法令で定められている保健所への届け出を行っていなかった。そして、驚きの行動に…。
冒頭で紹介したオスのチャボは、チャボが死んだことを隠すために独断で知り合いから借りてきたものだったのだ。
さらに職場の職員には、業務の日報や引継ぎのノートの書き換えまで行わせていたという。
死を隠蔽した理由「鳥インフルが…」
いったいなぜ、そこまでしてチャボの死を隠さなければいけなかったのだろうか?
現場責任者の男性職員は市の調査に対し、「当時、鳥インフルエンザが流行していて、鳥インフルエンザの疑いを持たれたり、万が一、鳥インフルエンザだった場合を恐れた」と話していたと言う。
実はこのとき全国で鳥インフルエンザの発生が相次ぎ、県内でもチャボが死んだ1月6日に村上市の養鶏場で鳥インフルエンザの陽性が確認されていた。
4月に内部告発があり、発覚したという今回の事態。
現場責任者の男性は「上司に報告する前に死んだチャボを処分してしまったため、知人から借りた」とも話しているという。
今回の件について動物園を訪れた人からは「社会人として、そういったことがあったのなら、報告・連絡・相談は徹底していただきたい」とか、「子どもを連れていっても恥ずかしくないような、楽しめるような場所にしていただきたい」という声が聞かれた。
長岡市はこの現場責任者の男性を戒告処分としたうえで「再発防止を徹底していく」とコメント。借りたチャボについては、その後、持ち主から譲り受けたということだ。