スーツ姿で場所取りも…平和と復興のシンボル“長岡まつり大花火大会” 夜空に大輪の花「心に残った」

日本三大花火の一つ・長岡まつり大花火大会が8月2日、3日に開かれた。新型コロナウイルスが5類に移行され、4年ぶりの通常開催となった2023年。平和を祈る花火が2日間で約2万発打ち上がり、多くの笑顔の花が咲いていた。

事前予約制でも“場所取り”

4年ぶりの通常開催となった長岡まつり大花火大会。2022年に続き、2023年も観覧席は全席有料で事前予約制となっていたが、花火大会を待ちきれない人は数時間前から列を作っていた。

長岡市で20年以上前から毎年花火を見に来ているという男性は「観覧席は区画が決まっているので、その中でもより良い場所で見たくて早めに並んでいる」と話す。

一方で、栃木県から訪れた4人家族の母親は「話しに聞いているだけで、実際に会場に来るのは初めてなので、余裕を持って動きたいのと、少しでもいい環境で見たい」と汗をぬぐいながら笑顔で話した。

長岡市の2日の最高気温は34.9℃。午後3時になり、有料観覧席が開場すると、場所取りに訪れた人たちは汗を流しながらシートなどを敷いていた。

会社のメンバーで花火を楽しむために、一足早く会場で場所取りをしていたスーツ姿の男性は「汗かいてくる。水分よくとっていかないと大変」と作業をしていた。

また、三重県から長野県の軽井沢を経由して長岡市に来た男性グループもこの暑さにぐったりの様子。「暑い。それこそ軽井沢から来ているので余計に暑さを感じている」

場所取りをして、すぐに会場を離れた新潟市から訪れた女性は「これからショッピングモールに行く。暑いし、観光がてら」と話し、打ち上げ時間まで涼しい場所に移動して熱中症対策をしていた。

会場内のアルコール販売も解禁

そして迎えた午後7時20分。鎮魂と平和を願う尺玉3発の打ち上げを皮切りに長岡まつり大花火大会がスタートした。

2023年は飲食や飲酒の制限がなくなり、会場内でのアルコールを含む飲食物の販売も解禁され、多くの人が花火と飲食を楽しんでいた。

毎年親戚で集まって長岡花火に訪れているという男性は「みんなお酒と花火が大好きな人間ばっかり」と笑顔で話す。

中には新型コロナで自粛が続き、飲酒を伴う集まりができなかったと振り返る男性は「社内でも自粛があった中で、こういった集まりが出来なかったが、こうやって天気もいいなかで酒を飲めて久しぶりに楽しめる」と会社の同僚と酒を酌み交わしていた。

色とりどりの花火が夜空を彩る

本来の姿を取り戻した長岡まつり大花火大会。2日間で約2万発もの花火が打ち上げられ、有料観覧席には2022年より1万5000人多い29万5000人が来場した。

正三尺玉や天地人花火、ナイアガラの滝など色とりどりの花火が夜空を彩るなか、午後8時15分に復興祈願花火フェニックスが打ち上げられると、会場を訪れた人たちは固唾をのんで夜空を見上げていた。

復興祈願花火フェニックス

復興祈願花火フェニックス

奈良県から浴衣姿で花火を楽しんだという家族は「すごく大きい信濃川でやるので、今まで見たことのない規模の花火を見させてもらってすごく心に残った」「浴衣はきついけど、花火がすごくきれいだったから楽しかった」と満足そうに話した。

花火大会が終わると、会場に訪れていた人たちは夜空にライトを照らし、花火師への感謝の思いを伝えた。平和を願う長岡の花火は今回も多くの笑顔の花を咲かせていた。