サッカー女子W杯でなでしこジャパンが活躍を見せる中、元なでしこジャパンで世界一のメンバー・川澄奈穂美選手がアルビレックス新潟レディースの記者会見に臨み、移籍を決めた理由などを語った。
8月1日、アルビレックス新潟レディースの移籍会見に臨んだのは、元なでしこジャパンのメンバー川澄奈穂美選手(37)だ。
「入団のアナウンスをした時には、もうとにかくSNS上がほぼだったんですけど、反響の大きさに自分自身もすごく驚きまして。本当に新潟の皆さんがウェルカムな表現をしてくださって、自分自身もすごくうれしく思いました。皆さんのお気持ちを無駄にしないように、サッカー選手として、しっかりここ新潟で結果を出したいなというふうに、もうすでに気持ちが高ぶっています」
会見で、川澄選手は新潟の印象や新潟移籍の決め手について笑いを交えながら語った。
Q.新潟の印象は
「皆さんすごく温かい方が多いんだなというのは入団発表した時に思いましたし、以前から、もうとにかくご飯がおいしいというのが、私自身食べるのがとても好きなので、新潟に来ておいしいお米を毎日食べられるのかと思うと、今から楽しみで仕方ありません」
Q.入団の決め手は
「WEリーグには色々と注目をしていて、中でもアルビレックスはとても勢いのあるチームだなというのも感じていました。順位的なところで言うと、昨シーズンはなかなか振るわなかったかもしれないんですけど、何かエッセンスが加われば上位に食い込めるんじゃないかなというのはすごく感じていました。そのエッセンスというのが、今自分というのを皆さん期待してると思うんですけども、監督が変わったこともとても良いことなんでしょうね。また気持ちを新たにできる一面だと思いますし、もちろん自分自身がそのエッセンスになれるようにしたいと考えています」
「地球3個分来てほしい…」上尾野辺選手からラブコールも
幼なじみで、小学生時代から何度も同じチームでプレーしている上尾野辺めぐみ選手からのラブコールも移籍の決め手の一つだったと話す。
Q.SNSでも話題!上尾野辺選手からのラブコールも?
「彼女の存在は自分自身にとってはすごく大きかったですし、決める上で一番の決め手はそこだったかなというふうには思います。あの上尾野辺が地球3個分も来てほしいと思うなんて、よっぽどのことだなと思ったので決断しました。上尾野辺選手とは、日頃から頻繁には連絡取り合わないんですけど、何かあれば色んなことを話す仲ですし、そういった中で『日本に戻るかも』という話をしたりとか、「チームどうしようかな」ということも話をして。ただ彼女からは『絶対にうち来てよ』みたいなことは言わないんですよ。そういうタイプではないので。でも、色々『新潟来たらこういうことあるよ』という、何かちょっと遠回しな感じとか。上尾野辺選手は犬を飼ってるんですけど、『世話してよ』とか、そういう遠回しのプロポーズをもらいました」
Q.入団が決まった後の上尾野辺選手は
「本当に来るの?ぐらいな感じだったと思うんですけど、実際来るとなって、本人は両手を広げて喜んだりはしないですけど、多分今世界で一番喜んでいると思います。同じチームになるのは4チーム目なんですけど、小学校から日本代表でも一緒に戦って、また新潟で同じチームになれるっていうのは、本当に腐れ縁だなと思っているので、切っても切れないそのしぶとい縁を試合中にもしっかりとパスをつないでゴールに繋げていけたらなと思います」
「小さい頃から一緒にプレーしてきましたし、トップリーグで何度も対戦をしているので、やはり国内のトップの決勝戦で当たって、勝者になるか敗者になるかというところ、自分自身はもちろん敗者になったことがあるので、その悔しさは知っていますし。それで私は当時INACにいたんですけど、その時にアルビレックスとの皇后杯で、決勝戦で多分4度対戦している(いずれもINACが優勝)。そこで彼女の悔しさももちろん知っているので、今回同じチームになれたので、次はぜひ彼女にタイトルを取ってほしいなという思いもあります」
「当時は鬼のよう…」前田GMの存在もプラスに
なでしこジャパンでGKコーチとして、共に女子W杯で戦った前田信弘GMとの関係も移籍を判断する上では大きかったと当時を振り返りながら話した。
「前田GMといろいろお話をさせていただいてオファーをいただいた。前田GMだったからこそ正直にお話をしました。多分10年前だったら前田GMがいるところには行きたいと思わなかったと思うんですけど、大変丸くなってお話もしやすくなったので、今回こういった形になったのかなと思っています。当時はもう本当に鬼のようで、全然歯を見せてくれないし、いいプレーしてもナイスとかあんまり言ってくれないし、だからこそ本当にたまに言ってくれる、あれよかったよというのがすごくうれしくて。そういうやり方も指導者としては必要ですね。指導者の時とやっぱりGMっていう立場だとちょっと違うと思うので、今はGMで丸く落ち着いているので。でも多分たまに厳しい一面も見せてくると思うので、しっかりプレーしたいなと思いますね」
背番号19に決まった“理由”
新天地でのプレーとなる川澄選手。背番号は19に決まり、チームの印象についても語った。
Q.アルビレックス新潟レディースの印象は
「アルビレックス新潟レディースはいつも練習の前とか後に結構面白い動画とかを撮ってTwitter(X)とかに上げているので、すごく雰囲気のいいチームだなっていうのはしっかり把握しています。練習試合の映像なんかも見たので、昨年とはシステムも変わっていますし、やろうとしてることはすごく面白そうだなっていうのは感じましたし、すごくいい印象を持っています」
Q.背番号は
「背番号は19番です。9番が大好きで9番が良かったんですけど、9番が空いていなかったので。ほかに空いている番号を見た時に、やっぱサインを書く時に9に慣れ過ぎてて、絶対9って書いちゃうんですよ。だから9って勢いを書いちゃった時に一番修正しやすいのが19だなと思って。っていう理由はちょっと後付けみたいな感じなんですけど。そのへんを上尾野辺とも相談したんですけど、じゃあうちの10番と奈穂美の9番で19でいいじゃんっていう気持ち悪いことを言ってきたんで、じゃあそれにしようかなと思って」
Q.年齢について
「やはり40歳の安藤選手がMVPを取ったことは、自分自身もそのアワードを見ててもう感激しましたし、年齢は数字だって言ってますけど、全然数字なんですけど、数字じゃないです。40歳でMVP取るなんて、もう本当に快挙だと思いますし、すごすぎますし、まずそこで現役をやっていること自体がすごいことなのにMVPを取ることのすごさというのが。一応プロの端くれとして現役をやっている人間としてどれぐらいすごいことなのかというのは感じている。そういった選手に刺激をもらいながら、若い選手としてそういった選手に追いつくんだという気持ちで頑張っていきたいなと思います」
アルビレディースに悲願のタイトルを!
未だタイトルを獲得できていないアルビレディース。川澄選手は「新潟にタイトルを」と意気込む。
Q.どんなふうにチームに貢献したいか
「基本的には攻撃が好きなので、攻撃的なポジションサイドが好きで、クロスを上げるのも好きですし。両サイドとかでもトップ下とかも面白そうだなとも思いますし、それは監督が決めることですけど、とにかく攻撃がしたいです。ディフェンスはやりたくないです。頑張るのとできるのは違うんですよ。頑張ります、やります、できます、します」
Q.数字の目標について
「あまりここ数年、数字で何ゴールとかアシストというのはしないんですけど、当然チームに合流してから具体的な形が出てくるのかなと思うので、ちょっと今考えていなかったです。すいません。開幕前ぐらいにまた取材に来ていただいて、そしたらその時に話をします」
Q.新潟での目標は
「やはり『新潟にタイトルを』っていうのは自分自身の目標としてやりたいなっていうふうに思っています」
昨季はリーグ11位中10位に終わったアルビレックス新潟レディース。世界を知るベテランの加入で躍進できるか、目が離せない。 後編では、W杯で戦うなでしこジャパンについて語る。