コシヒカリやスイカが特産の地で“ブルーベリー”
魚沼市堀之内の菓子店。彩り豊かなケーキが並ぶ中、店主の吉田義博さんが夏に一推しするのが粒ぞろいのブルーベリーを贅沢に使ったタルトだ!
吉田屋 吉田義博 さん:
「このブルーベリーは地元・魚沼市で生産されていて、酸味・甘み・香りがしっかりした力強いブルーベリーだ」
吉田さんが惚れ込むブルーベリーは、魚沼市の田園風景の中にある農園で生産されている。
この農園でふくよかに実ったブルーベリーを収穫するのは関遼さん。ブルーベリー専門の農家だ。
関 遼さん:
みんなが美味しいと思うブルーベリーを目指す
約30品種1000本のブルーベリーが育つ農園には、実を美味しくする、とっておきの秘密があった。
関 遼さん:
八海山の雪解け水が地下水になって、冷たい水を使えるので、夏もブルーベリーが元気に育つ
“脱サラ”から5年で農園オープン
自然の恵みを生かす魚沼市出身の関さん。2018年まではサラリーマンだった。
関 遼さん:
自分で育てたものをお客さんに届けられる。いつかは農業をやりたいと思っていた
会社を辞め農業を始めるという関さんの決断を、妻・麻莉子さんも後押ししたと言う。
関さんの妻・麻莉子さん:
不安は大きかったが、好きな事をしてもらいたかった
しかしなぜ、コシヒカリやスイカの産地として知られる魚沼市で、ブルーベリーの生産を選んだのだろうか。
「魚沼でブルーベリーはあまり育てられていない」と、周辺で生産が少ないブルーベリーに価値を見いだした関さん。
今はふくよかな実がなっているが、農業を始めたばかりの頃は失敗の連続だった。
関 遼さん:
最初は小さい苗からスタートしているので、よくここまで大きくなってくれた
農業を始めて5年、農園の入り口にかけられたのれんは、まだ新品だ。
2022年プレオープンした農園は、規模を5倍にして2023年7月、本格オープンしたばかり。
関 遼さん:
これまで苦労をかけた妻の名前を付けた
『マリーズファーム』という農園の名前には、妻への感謝の思いを込めた。
夫の夢を信じて、別の仕事をしながら家計を支えた麻莉子さん、実ったブルーベリーの味は?
関さんの妻・麻莉子さん:
甘い
生産者と消費者が“距離の近い”農業を目指す
関さんの農園経営の主軸にあるのは体験の場の提供。お客さんにブルーベリー狩りを楽しんでもらいたいと考えている。
常に10品種ほどを食べ比べ出来るとあって、訪れる人も大満足の様子。
お客さん:
美味しいし、食べ比べが楽しい
ブルーベリーの生産販売だけでなく、お客さんに体験してもらう農業で関さんが思い描くのは?
関 遼さん:
生産者と消費者が近い距離の農業をやりたいと思っていた。コシヒカリやスイカと共に特産にしたい
その夢を実現するため、地域の菓子店やカフェなどへのアピールも忘れない。
魚沼市井口にあるクレープが人気のカフェにも、関さんのブルーベリーを使った新しいメニューが加わった。
LEALEA 小幡麻里代 さん:
地元のものは、胸を張って出せるのでうれしい
愛情を注いだブルーベリーが主役のスイーツを味わう関さん夫婦。
関 遼さん:
スイーツになってお客さんの元に届くのはありがたい。色々な人にブルーベリーを知ってもらい、みんなで魚沼を盛り上げられたらうれしい
魚沼の自然を味方にした夫婦の夢が実りの夏をむかえた。