猛暑で“牛乳”ピンチ… 給食はコーヒー牛乳・県外産で代替も 「月の売上げ約1000万円減」

この夏の高温の影響で、新潟県内では9月6日までに24頭の乳牛が死んだ。全体の搾乳量も減少していて、学校給食の牛乳にも影響が出る見込みとなっている。生乳メーカーも売り上げが大幅に落ち込む事態となり、肩を落としていた。

給食の「牛乳」 代替品提供へ

新潟市江南区に本社を持つ塚田牛乳。パック入りの牛乳が次々と生産されていた。この工場では学校給食用に紙パック、そしてビンで一日に4万の牛乳を生産している。

しかし、9月はじめ、学校給食関係者宛てに「学校給食用の牛乳における代替品提供のお願い」との文章を出した。

その内容について、塚田牛乳の塚田忠幸社長は「学校給食の一部をコーヒー牛乳への移行と県外産の生乳を使って一部出荷する」と話した。

このメーカーでは、新潟市・長岡市・五泉市の小中学校など約130校に給食用の県産牛乳を納入しているが、9月のうち4日分の牛乳をコーヒー牛乳と北海道産の牛乳に置き換えることになった。

塚田社長は「お盆以降もすごく暑かったので、その影響がもろに出てきたのかな」と嘆く。

代替品を使用せざるを得なくなった要因は、8月の猛暑で乳牛が疲弊し、減少した搾乳量にある。乳牛を育てている藤田毅さんは「最初は数%だったが、段々この暑さが続くに従って、どんどん乳量が落ちてきて、3割くらい減になっている」と話していた。

ほとんどの製品を県産の生乳で製造しているメーカーにとって、搾乳量の減少は、生乳の仕入れの減少に直結する。

塚田社長は「生乳の仕入れが8月で一日当たり1.5トン減少するのがずっと続いていた。1回、余剰がゼロになりそうな感じだった。全ての製造を止めなくてはならなくなるので、今回学校に関してはこういう措置をとらせてもらった。給食については、学校の近くにある酪農家の生乳を使うように意識してきたので、県外産を使ったときの子どもたちの反応が気がかり」だと明かす。

そして、生産が減ったことで、8月は約1000万円売り上げを落としたと言う。

塚田社長は、酪農家が牛の体調を見ながらギリギリの搾乳を行っている現状を知った上で、一日も早く安定供給できるよう残暑が収まり、搾乳量が回復することを祈っていた。