中学校の同級生で打ち上げる“最後の花火”に涙… 思い詰まった花火大会「一生の夢が叶った」【片貝まつり大花火大会・小千谷市】

9月9日と10日の2日間、新潟県小千谷市で片貝まつりの花火大会が開かれた。越後三大花火の一つに数えられる花火大会で多くの人がその花火の美しさに魅了される中、特別な思いで打ち上げを見守る人たちがいた。

越後三大花火「片貝まつり花火大会」

日本一大きいと言われる四尺玉の花火が夜空を彩った片貝まつりの花火大会。

片貝まつり花火大会

場内アナウンス:
みんな元気で暮らしています。安心してください。尺玉三発、追い打ちでございます!

子どもの誕生祝や家内安全など、様々な思いを込めて奉納するこの花火大会では2日間で1万5000発もの花火が打ち上げられた。

訪れた人からは「感動した。本当に一生の夢が叶った」「長岡花火と違う迫力があって面白かった」「来てよかった。皆さんの思いとかが一つ一つに込められていてすばらしいと思った」と称賛する声が上がった。

多くの人が花火に魅了される中、今年を「最後」にと意気込んでいたのが、片貝中学校の同級生からなる「にじ会」のメンバーだ。

にじ会のメンバー

片貝中学校では二十歳と還暦の節目に合わせて同級生同士でお金を出し合い、花火を上げるのが習わしとなっている。

しかし、にじ会のメンバーは今年、古希を迎える70歳。花火への思いが強く、今回を会の集大成・最後の花火と位置づけ、慣例を破って打ち上げることにしたのだ。

にじ会、最後の花火が片貝の夜空を彩った。

にじ会が打ち上げた花火

 

見守るメンバーの頬には自然と涙が伝っていた。「きれいだった。人生最後の花火。うれしい」「いい花火だった。これが最後の花火だから」

涙ながらに話すメンバーは、にじ会としての最後の花火の美しさを噛みしめていた。

にじ会の吉井一郎会長は「お立ち台に上がって花火を上げるのはこれが最後だと思うので、みんな納得したと思う」と感極まった表情で話した。

小千谷の夜空にそれぞれの思いが大輪の花を咲かせていた。