夏休み明け相次ぐ学級閉鎖…原因は“新型コロナ” 専門家は高齢者への感染危惧「家庭内感染の予防を」

夏休みが終わり、新潟県内では新型コロナウイルスの感染の広がりから学級閉鎖が相次いでいる。専門家は、子どもたちから高齢者へ家庭内感染が広がることを危惧している。

学校で感染広がる「家庭内感染に注意」

NSTの調べによると、新潟県内の小・中学校で9月12日、新型コロナが理由で休校となったのは、佐渡市の小学校で1校。学級閉鎖となったのは、小・中学校あわせて33クラスにのぼっている。

小・中学校の休校と学級閉鎖(新潟県内/9月12日)

「新しく学校が始まった時期なので、学校に通っている子どもの間で一定程度、感染が広がっている時期だと理解している」と話すのは、新型コロナウイルスに詳しい新潟大学大学院の高橋昌特任教授だ。

新潟大学大学院 高橋昌 特任教授

高橋特任教授は「学校が始まると接触の機会が増えてくるし、非常に暑くて、換気も冷房が効いている所だと窓を開けるのが難しいという今夏の気候の問題もあると思う」と話す。

若年層の感染が増える今、心配されるのは、家庭内での感染の広がりだ。
「この時期、学校閉鎖・学級閉鎖が増えているということは、これから何週間かすると、家庭内感染を通じて、おじいちゃん・おばあちゃんが新型コロナに感染する。すると一定程度、重症化の方が出てくるので、それを予防するということが必要」

陽性となったら、家庭内でもマスクをし、可能な限り隔離することや、ドアノブ・トイレなど共用部分の消毒を行い、家庭内での感染拡大を防ぐことが重要だ。

共用部分の消毒を

そして、高橋特任教授は現時点で、すでに県内の医療機関の病床はひっ迫していると指摘する。「現在、新潟県内の病床の使用率は熱中症などの季節でもあり、一般救急の患者も増えている。そういう意味で新型コロナの患者も増えているので、新潟県内、特に新潟市内人口の多いところでは、やはり病床は非常にひっ迫している」

5類に移行した今だからこそ、基本的な感染対策の重要度は増している。「新型コロナの致死率はインフルエンザの何倍もあるので、そういう意味では5類になったからといって緊張感を解いていいということではないと思う」

 

若年層の感染から家族に広がるというのは、これまでの感染拡大でも何度も繰り返されてきた。5類になったとしても感染力は変わらないということを行動範囲が広くなった今、改めて心にとどめておくことが大切だ。