猛暑と水不足で枯れた芝生
今年9月、本来は緑色が広がるデンカビッグスワンのピッチの多くの部分が茶色く色あせていた。
Jリーグのベストピッチ賞を6度も受賞しているビッグスワン。
ここまで芝生が枯れてしまうことは、スタジアム管理所の技師・大堀朋哉さんにとっても、経験のない事態だった。「今までは毎年夏も緑を保てていたが、今年は異常な暑さが連続してしまったのでついに耐えられなくなったというか…」
今年8月、スタジアムのある新潟市中央区で猛暑日となった日は過去最高となる18日。さらに、7月21日から39日間、雨が降らなかった。
ピッチのメンテナンスはスタジアムが使用されないときに行われるため、稼働できる日が限られていたが、芝生の入れ替えを行うなどスタッフが懸命に対応。ピッチにまいた水は去年の1.5倍となった。
日本代表選を前に芝生復活!
そして、10月10日にスタジアムを訪れると、鮮やかな緑が広がっていた。
夏の猛暑で枯れて茶色くなった部分は見受けられず、緑が美しい本来のビッグスワンのピッチが戻っていた。
大堀さんは「9月の頭ごろに芝の種をまいて、そのあと肥料の管理をして計画的に回復させていった」と言う。
9月初旬、枯れた芝生部分にまいた種が青々とした芝に成長。「先週・先々週くらいでだいぶ色も濃くなってきて回復傾向ではあったので、9月の下旬くらいですかね、だいぶ大丈夫そうかなと話し合っていた」
夏の試合映像を見た全国のサッカーファンからは、枯れた芝生を心配する声も寄せられていたが、最近になって、大堀さんのもとにアルビレックス新潟サポーターの「だいぶ回復しましたね」という声が届いたという。
大堀さんのもとにも、アルビレックス新潟のサポーターから「だいぶ回復しましたね」との声が寄せられたという。
そして、10月13日には全国の注目がこのピッチに集まる。ビッグスワンで5年ぶりに行われる日本代表戦を前に、10日は芝に負荷がかかりやすいGKのプレイエリア。そして、ラインズマンが走るエリアの芝生の補完が行われていた。
大堀さんは「あとは使っていただく方たちに判断していただく。やれることはやっているし、十分緑にはなって回復しているので安心している」と話す。
本来のピッチで日本代表を迎え入れることに安堵する一方、大堀さんは、今年のような猛暑が繰り返されることも想定し、来年の芝生管理の計画を立てていきたいと話していた。