歩行者がいても多くの車が素通り…
新潟市中央区の車が多く行き交う信号機のない横断歩道。自転車に乗ってきた人が横断歩道の前で止まるも、道路を走る車は止まらない。
自転車は車がいなくなるのを見てから横断歩道を渡って行った。
一時停止をしっかりと守る車もある一方で、多くの車が歩行者が横断歩道を渡ろうとしているにもかかわらず素通りしていった。
実際に街で話を聞いてみると…
10代男性:
なかなか止まらない。本当に1回ひかれそうなときもあった
70代女性:
ほとんど止まらない。たまに止まると珍しいくらい
40代男性:
老人と子ども、体が動く人はいいが、あまり判断や自由がきかない人は危ないかなと
「信号機のない横断歩道を渡ろうとしても、車は止まってくれなかった」と実体験を話す人が多くいた。
一方、車のドライバーに話を聞いてみると…。
60代男性:
なるべく止まるように努力はしているけど、たまに見落としがある。こちらが止まっていても、対向車がそのまま通過することもある
30代女性:
自分が運転していて、前の車がちゃんと止まっているというのもあったし、横断する場合でも、止まってくれたり。行ってしまう人もいるけど
JAFによると、調査は今年8月から9月にかけて県内2箇所で行われ、県内の一時停止率は23.2%で全国最低に。全国平均の45.1%を21.9ポイントも下回り、7割以上が一時停止をしていない実態が明らかとなった。
JAF新潟支部の菅宮弓里江さんは「横断歩道に関しては、歩行者が優先という大前提がある。車両が横断歩道を通過しようとする時、渡ろうとしている歩行者がいる場合については、しっかり一時停止をするというところが必要になる」と話す。
違反件数は5000件超…長野県と大きな差
横断歩道上の死亡事故も発生している。
県警によると、県内の横断歩道上での事故は9月末現在で147件発生し、5人が死亡。146人がケガをしているという。
また、去年1年間の歩行者妨害による違反件数は一時停止率が全国トップだった長野県の2916件に対し、新潟県は5630件あった。今年はすでに5140件(10月末現在)で、去年の同じ時期に比べて221件多いという。中には歩行者妨害を機に逮捕される者もいた。
県警などは「明らかに歩行者がいない場合を除いては、横断歩道でいつでも一時停止できるように心がけることが重要だ」と呼びかけている。
交通事故を起こさない、巻き込まれないためにも、ドライバーは交通ルールを守り、歩行者も横断歩道を渡る際には手を上げて、その意思を伝えるなど、お互いに安全を心がけることが重要だ。