女性トラックドライバーに密着 物流業界のお悩み「2024年問題」とは?<あなたのお仕事教えて下さい #トラック運転手編>

さまざまなお仕事の舞台裏を紹介する企画「あなたのお仕事教えて下さい」。今回はトラック運転手のお仕事についてNGT48川越紗彩さんが調べてきました。

NGT48川越紗彩(茨城県出身)

川越さんがやってきたのは上越運送。上越市にある運送会社で、約170台のトラックを保有しています。

案内してくれたのは、トラック運転手の礪波文子さん。物流業界では珍しい女性ドライバーです。今回、そんな礪波さんのトラックに乗せてもらうことになりました。

右:礪波文子さん

プロが教える!トラックドライバーのお仕事前のチェックリストとは?

礪波さん:
川越さん、実はトラックに乗車する前にやるべきことがあるんです。今からエンジンをつけてライトのチェックやタイヤの空気圧などチェックしていきます。

すると工具を取り出し、慣れた手つきでホイールのナットを叩きながら緩みがないか1つ1つ確認していきます。
ちなみに、礪波さんが乗っているトラックのタイヤは全部で12本。乗車するごとに全てのタイヤをこうしてチェックするんです。

川越紗彩:
一つずつ念入りにチェックされていますね。

礪波さん:
叩いて、振動で緩みがわかるようになっています

川越さんも体験(初心者なので、振動の感覚は分かりませんでした・・・)

そのほか、ライトがきちんと点灯するかなどを確認。
ようやく乗車・・・かと思いきや、礪波さんが事務所へ向かいました。

車体チェックのあとは、ドライバー本人の体調チェックです。乗車前には必ず体調確認とアルコールチェックを行っています。

専用機械に息を吹きかけて、アルコールが無いことを確認。

そのほかの確認作業を行い、ようやくトラックに乗ることができるんです。

乗車前の合言葉「ご安全に」

トラックに初乗車!「すごく広い」

さまざまな点検を経て、ようやく乗車

初めてトラックに乗った川越さんは・・・

川越紗彩:
すごい。中もめちゃめちゃ広いですよ。ベッドみたいなものが敷いてある。ハンドルも大きいですね。

そんな川越さんを乗せて、いざ出発!

助手席の「安全窓」って? 女性でも安心して働けるお仕事

川越紗彩:
初めてのトラックの旅が始まりました。カーブ一つするのも結構大変ですか?

礪波さん:
すごい怖いです。でも普通の乗用車と比べて運転席が高いので、疲れにくい気がします。見通しもよいので。

助手席側の足下には「安全窓」と呼ばれる窓があります。これは左折の際に左側が死角になってしまうため、きちんと安全を確認できるようにつけられた窓なんだとか。

もともと運転が好きだったこともあり、この世界に飛び込んだという礪波さん。「運転しているときはとても楽しい」と話してくれました。

まだまだ女性が少ない業界ですが、礪波さんは「女性でも活躍できる」と感じているそうです。

私たちの日常生活にも影響・・2024年問題とは?

一方、トラック運転手を含め、物流業界全体が抱えている大きな課題があります。それが「2024年問題」です。

礪波さん:
今問題になってる2024年問題というのが、ドライバーの負担を減らすために労働時間を短くするものなんです。そうなると「給料が稼げなくなる」と、職を離れていく人が増えてくるんじゃないかと言われています。トラック運転手が減るということは、モノがきちんと届かなくなる恐れがあるんです。

川越紗彩:
いまはネットで頼んだ商品が翌日に届くのが当たり前の雰囲気になっているけど、それも「当たり前じゃないんだよ」って伝えたいですよね。コンビニとかスーパーとか買い物もよく行くんですけど、いつ買い物に行っても商品がびっしり並んでいるのは、トラックの会社の方が運んでいらっしゃるってことですもんね。本当に尊敬です。

短い時間ですが、トラックのお仕事やお悩みについて学びながら初のトラックドライブを楽しんだ川越さん。

川越紗彩:
ありがとうございました。間近でかっこよく運転される姿を見ることができて、すごく尊敬しましたし、すごく楽しかったです。ドライブもありがとうございます。

次回は荷物がどのような流れで運ばれていくのかを、より詳しく学んでいきます。