再会願う被害者家族「絶対諦めない」
11月11日に開かれた県民集会で、横田めぐみさんの弟で家族会代表の横田拓也さんは、87歳になる母・早紀江さんの思いに触れた。「私の母・早紀江の夢は、誰もいないところで空に浮かぶ雲を見ながら『やっと自由になれたね』と言う時間を持ちたい、こんな当たり前のことを願っている。私は、絶対に諦めるわけにはいかない。絶対に負けない」
その、母・早紀江さんは今年に入り、入退院を繰り返していて、今年も映像での参加となった。
横田早紀江さんは「めぐみちゃんに会いたい。そして他の方も、有本明弘さんも95歳になられた。娘の有本恵子ちゃんがそこに来て・・・お父さんに会わせてあげたい。帰ってくるまでは、何とか命を長らえなければと思っている」と画面を通して参加者に訴えた。
拉致被害者の曽我ひとみさんは、ともに拉致され、12月に92歳になる母・ミヨシさんへの思いを口にした。「もう一度、親孝行をさせてください」
再会を願う気持ちは、特定失踪者の家族も同じ…
大澤孝司さんの兄・昭一さんは「私もあと何年もつか分からないが、弟とせめて一回会ってみたいと思う」と話し、中村三奈子さんの母・クニさんも「私だけでなくて、他の人たちにも帰って『ただいま』と言ってくれるよう、国に拉致問題解決のための政策をぜひお願いしたい」と訴えた。
「取り戻す」と話す政府に被害者家族は…
集会の最後には、約3万3000筆の署名が政府に渡された。
内閣府の工藤彰三副大臣は「すでに40数年経ってしまった。忸怩たる思いで、言葉だけでなく、これは岸田首相にきちっと伝え、何が何でも被害者を取り戻す。そういう思い」と決意を口にした。
しかし、家族や国民が求めるのは、「取り戻す」という言葉を実行に移す政府の姿だ。
横田拓也さんは怒りも込めて語った。「言い過ぎを承知で誤解を恐れずに言うと、結果が出なければ点数は0点、全員を帰さなければ100点とは言えない。日本政府は全力をかけて、国力をかけて、1人残さず全拉致被害者を帰すように、私たちは求めていきたい」