“紅葉の名所”今年は物足りない!? 「鮮やかさが…」「赤くない」 その理由は“猛暑で木も体力を奪われ…”

秋も深まり、見頃を迎えている新潟県内の紅葉。新潟市の紅葉の名所には県内・県外から多くの人が訪れている。しかし、紅葉にも今夏の猛暑の影響が広がっているようだ。

紅葉に多くの見物客も…「物足りない」

新潟市秋葉区にある中野邸記念館。

1万2000坪ある庭園「泉恵園」には、約130種類・2000本のモミジが植えられていて、毎年、県内・県外から多くの見物客が訪れる。

中野邸記念館

この日も見物客の姿が見られ、「ここは紅葉が非常にきれい。ほかに、これだけモミジがたくさんあるところは、なかなかない」とモミジ狩りを楽しんでいた。

しかし、見物客もある異変を感じていた。

「暑さのせいかもしれないが、今年は全体的に赤みとか鮮やかさが少ない」「毎年来ているが、色が…赤くない。去年より赤さが少ない」

毎年11月には庭園がモミジで真っ赤に染まるが、2014年と比較してみると、今年は鮮やかさが少し物足りない様子…

中野邸記念館事務局の和田薫さんは「今年は夏の暑さで葉っぱが傷んでいるので、物足りない部分は多々ある」

中野邸記念館 事務局 和田薫さん

その原因を県立植物園で尋ねた。

夏の猛暑が影響…「木に体力がない」

県立植物園管理運営課の田中良明さんは「今年の夏の影響で、木にも体力があんまりないんじゃないかな」と話す。

県立植物園 管理運営課 田中良明さん

やはり、今年の猛暑が影響していたようだ。

モミジの木は葉っぱから栄養分を吸収しているが、猛暑によって、木が弱ってしまったため、例年よりも多く葉っぱから栄養分を吸収。

これによって葉っぱの色素が失われ、落葉も早くなっているのではないかと推察する。

「普通の年だったら(葉っぱの栄養分を)半分残すところ、ほとんど栄養を吸収してしまった。それで葉っぱが急に老化してしまって、紅葉というステップを踏まないで、もう落としてしまっている」

今夏に35℃を超える猛暑日が37日間あった新潟市秋葉区。モミジにとっても過酷な暑さだったようだ。

それでも、和田さんは「赤・黄、たまに緑・橙とか様々な色の木がある。種類も違うし、高低差もあり、色づき具合は千差万別。そういったところも楽しんでいただきたい」と話していた。