地震によるストレス… 子どもの心身に変化
元日の能登半島地震、そして、9日の佐渡沖を震源とする地震。地震への不安は、子どもたちの心に影響を与えている。
だからこそ「いま、子どもの様子を注意深く見てほしい」と話すのは、子どもの心の成長に詳しい新潟県立大学の角張慶子准教授だ。
「こういった災害を経験すると、人は心身に様々な反応が表れることがある。中でも、やはり子どもは非常にストレスを受けやすく、いつもとは違った行動や反応が表れることがある」
具体的には…
▽お腹が痛い
▽頭が痛い
▽食欲がない
▽眠れない
といった体に表れる変化。また…
▽イライラする
▽怒りっぽくなる
▽一人でいることを怖がる
といった心情に表れる変化があるという。
不安抱える子どもへの対応は?
こうした子どもの変化に対して大人はどう対応すべきなのか。
「安心・安全を感じられることが非常に大事になってくるので、小さいお子さんであれば、抱きしめる・手を握るというスキンシップという方法もある。年齢が上のお子さんには、子どもの話・不安・気持ちを否定したり、遮ったりしないでよく聞いてあげてほしい」
我慢する子には「向き合う時間を」
一方、地震の被害が大きい西区の小学校で6年生を受け持つ先生からは「高学年になると明るくふるまうのが上手になるので、小さな心の変化でも読み取って、毎日みんなに声をかけてケアしていければいい」との言葉が聞かれていた。
これに対し、角張准教授は「例えば、保護者が大変な状況にある場合には、親が大変だから我慢するとか、いつも以上に明るくふるまう子も中にはいると思う。そういう子には大人が意識的に時間を取ったり、その子と向き合う時間を取って過ごすことが大事になってくる」と話す。
“防災”話し合うことも心の安定に
「また地震が来る?また揺れる?」と聞いてくる子どもに対しては「変に嘘でごまかしたりせずに、もしそういったことが起きたときには、どういうふうに私たちは対応・対処ができるか?ということを前向きに子どもと話し合ういいと思う」と話す。
食べ物の備蓄や、家の中の点検、避難経路の確認など、具体的な防災を話し合うことが、子どもの心の安定につながるという。
大人も心のケアを
一方、角張准教授は大人の心のケアの必要性も指摘する。
「大人もやはり震災で色んな不安を抱えているので、子どもの周りにいる大人が安定していくこともすごく大事。親・保護者・支援に当たる先生方もリラックスできる方法をいつも以上に意識するといいと思う」