道路の亀裂や大雪…現場到着までに時間
「一人でも多くの方を救助して、どんな形であれ、ご家族の元へ帰っていただこうと、私たちの手で帰そうと隊員に指示していた」
被災地での活動について報告した片野祐介警部が率いた広域緊急援助隊は、1月7日から11日にかけてビルや家屋の倒壊・火災などで甚大な被害が出た石川県輪島市で安否不明者の捜索活動に当たった。
「今回の震災で一番感じたのは、救助現場に向かう大変さを痛感した」
至るところで道路に亀裂が入り、通行止めが発生したうえ、大雪の影響で通常30分で行ける場所に6時間半かけて到着したケースもあったという。
大規模な土砂崩れも… 度重なる揺れで捜索難航
また、倒壊した家屋が多く、大規模な土砂崩れも発生していて、いまだ多くの人が安否不明となっているが、度重なる地震で捜索活動も難航。
「土砂崩れの現場は大きな重機が2台入っていたが、非常に多くの土砂があったので、掘っても掘っても、家の基礎が出てこないとか、なかなか手がかりになるものが見つからなかった」
こうした状況を受け、県警の航空隊も1月3日から3日間、上空から被害状況の確認にあたり、携帯電話の電波が入らず、助けを求められない地域の被災者の救助活動に当たったという。
常日頃から災害への備えを
捜索も難航し、被災者の憔悴した様子を目の当たりにした片野中隊長は、改めて県民に自然災害への備えを呼びかけた。
「極端な話、きょうあるかもしれないし、あすあるかもしれない。絶対自分のところでは起きないと考えるのではなく、常日頃から平時から準備しておくのが大切だと感じたし、皆さんにも平時の準備をしっかりしておいていただければと思う」