「実家みたいな温かい店」で“お母さんの味”を提供 人気は“鯖の塩焼定食”

新潟市中央区で長年愛されてきた定食店がある。創業当初から変わらない「お母さんの味」で多くの人の胃と心を満たしている。懐に優しい価格で定食を提供する店主の思いを取材した。

焼き立て!鯖の塩焼き定食

新潟市中央区にある創業36年の定食店「写楽」。

写楽(新潟市中央区西堀前通)

毎日、日替わり定食を含め、10種類ほどの定食を提供し、創業当初から愛されているのが「鯖の塩焼定食」だと写楽の五十嵐明美さんは言う。

写楽 五十嵐明美さん

「年間通して鯖の塩焼きが一番人気。鯖はオーダー受けてから焼き立てを出す。脂が乗って3枚おろしなので、ボリュームがあってお魚好きには好評」

写楽では、身が分厚く脂が少ない上に、骨の少ない鯖を使っているのが特徴だ。

「ついつい焦がす時もあるけど、長年の勘でね、このくらいだとOKだなと」五十嵐さんの長年の勘を頼りに焼いていくと…鯖の塩焼き定食が完成!

小鉢3皿とご飯・味噌汁が付いて値段は900円。

鯖の塩焼き定食(900円)

五十嵐さんは「週5日間ランチをやっているけど、3・4回来てくれる人もいるから、懐に優しい感じで」と話す。

ボリューム満点の鯖の塩焼きの味は、身がふっくらしていて塩気も抜群。ご飯の進む一品だ!

写楽ではこれらの定食を昼だけでなく、夜も同じ値段で提供している。

この理由について、五十嵐さんは「単身赴任の方とか独身の方とか、この辺りは多く住んでいるので、健康のことを考えたりして、バランスの良い食事を作ってあげようかな。というのが最初のきっかけ」と話す。

「良心的な値段でおいしいご飯を食べてほしい」という思いが届き、店は連日多くの常連客でにぎわっている。

この日、訪れた会社員の男性は「東京から単身赴任で来て一人暮らし。実家みたいな温かいお店かなと思う」と話せば、学生も「850円~900円くらいでこれだけ色々な料理が出てくるのは腹が膨れて満足。1人暮らしだとバランスが偏るので、そういった学生たちには良心的かなと思う」と満足そうに話した。

36年間変わらない「お母さんの味」は、地域で頑張る人たちのパワーの源となっていた。