昭和~令和で変わりゆく“トレンド” 平均価格は40年で約4万円アップ!? 来春の“ラン活”早くもスタート!

早くも来年の春に入学する小学生向けのランドセル商戦が始まっている。年々始まる時期が早まっている“ラン活”。変化が出ているのは、始まる時期だけではないようだ。最新トレンドと過去のトレンドについて取材した。

早くも“ラン活”スタート!

3月10日、多くの家族連れでにぎわっていたのは、東京の老舗メーカーが開いたランドセルの出張店舗だ。

ランドセルを選んでいたのは2024年の春ではなく、2025年の春、小学校に入学する子どもたち。

選択肢が多いうちにお気に入りのものを選ぼうと、ランドセルを選ぶ活動・通称“ラン活”を始める時期が年々早まっている。

出張店舗を開いた土屋鞄製造所の諸橋美和課長は「一生に一度のお子様のランドセルになるので、たくさん選べるうちから色んなものを見せて決めたいという家族が増えている」とその背景について語る。

昭和のデパートに並ぶランドセルは2色

約40色ものランドセルが並んでいるが、その歴史をひもとくと、ランドセルの始まりは明治時代まで遡る。

軍隊用の“背のう”、いまのリュックサックのようなバッグに学習品を入れたことが始まり。

背のう

この背のうがオランダ語で「ランセル」と呼ばれていたことから「ランドセル」という言葉が生まれたという。

1982年:黒と赤の2色 平均価格は1万8000円

1982年の新潟市のデパートに並んでいたのは黒と赤、2色のランドセルだ。

1982年

当時の平均価格は約1万8000円で、同じ色でも違いがあるのか、じっくりと品定めをする人の姿も見られた。

2002年:色のバリエーション増えるも…「無難に」

20年後の2002年には色のバリエーションは増えたが、当時の売り場担当者は「奇をてらったよりは無難なものを親やおじいちゃん・おばあちゃんが選ぶケースが多い」と話し、人気は定番の黒と赤で、それ以外の色は少数派だったと明かす。

2002年

また、この時代からA4サイズの教科書が出始めたため、色よりもランドセルの形で個性を出す人が多かったようだ。

ちなみに、平均価格は20年前から倍増し、約3万5000円だった。

2024年:性別にとらわれず“好きな色”を選択!

そこから、さらに約20年…赤や黒も人気だが、令和のトレンドは淡い色!

性別にとらわれず、子どもたちが好きな色を選ぶ時代になっていた。

(Q.何色にする?)
子ども:

わかんない~。まだ、迷ってるからさ~

父親:
いま、色んな色がある。好きな色を選んでほしいなと思ったが、いい色がいっぱいあって親も迷う

教材にも変化…“大容量・軽量”が人気に

一方、ランドセルに求められているのは色だけではないと諸橋課長は話す。

「タブレットなどをランドセルに入れる学校が増えているので、大容量で軽量のランドセルが人気の傾向となっている」

会場でも教材の変化によって荷物がたくさん入る軽いランドセルを探す声が多く聞かれた。

また、ランドセルの平均価格は20年前からさらに上がり、約5万8000円に。

価格や求められる機能は変わっているが、ランドセルはいつの時代も新しく始まる子どもの小学校生活を応援する家族の思いが詰まっている。