建物が傾き…液状化被害で営業に支障
地震発生後、液状化の影響で道路に亀裂が入り、泥水が噴きだしていた新潟市西区寺尾朝日通。
この通りに建つホテル寺尾も大きな被害を受けた。
本館と2つの別館が傾き、応急危険度判定では「要注意」判定に。宿泊のキャンセルも出るなど営業に支障が出ていた。
ホテル寺尾の勝島猛代表は当時、取材中にも思わず「これはどうしよう…ちょっと想像だにできなくなってきた。どうしたらいいですかね」と座り込んでしまっていた。
あまりの被害に頭を悩ませる勝島代表だったが、地震から1カ月が経った時には「どこまでやれるか分からないが、私の残りの人生かけて…」と傾いた建物の建て替えを決断。再建に向けて本格的に動き始めていた。
再建へ「9000万円くらいかかるのでは…」
そして、地震から3カ月…本館はこれから工事に取りかかる予定だが、駐車場と別館はほぼ工事が完了していた。
しかし、この工事には多額の費用が掛かる見込みだ。
内訳について勝島代表は「駐車場と別館で1500万、別館が500万としてこれで2000万、本館は地盤改良も含めて建て直したいので6000万なので8000万。プラスなんだかんだで9000万くらいかかるのではと思って…ホテル寺尾最大のピンチ」と話した。
「問い合わせ来るが…」北陸応援割を活用できず
県のなりわい再建支援補助金を活用しながら再建を進めたいとするホテル寺尾。
現在、31部屋のうち21部屋しか使えないため、北陸4県対象の北陸応援割の利用を断っている上、1月・2月の売り上げが去年12月の半分にまで落ち込んだという。
「北陸応援割の予算も残っているので部屋さえあればやりたかった。問い合わせは来るが、それを断るのが本当に心苦しい。早く部屋を再開してお客さんにいっぱい来てもらえるようになれたらいい」
どれだけ補助を受けられるのか分からない状況の中、それでも通常営業の再開を目指すホテル寺尾の歩みは続く。