「肺炎はほとんどない」“新型コロナ”現在の症状は!? 国の支援終了で患者の負担増…治療薬は約3万円の自己負担も
急に発熱し、喉に強烈な痛みが襲った。3月下旬に30代の記者が新型コロナウイルスに罹患した時の症状だ。新型コロナウイルスが5類に移行されてまもなく1年。国の支援は今年3月で終了し、医療上の対応は4月から大きく変わった。新型コロナウイルスで現れる現在の特徴と、4月からの変化について取材した。
5類移行から1年… 新型コロナ現在の特徴は?
新型コロナウイルスが5類に移行して5月で1年を迎える。新潟県内の新型コロナウイルスの感染者数は、4月7日までの1週間で指定した1医療機関あたり5.55人と前の週から減少している。
3月下旬に新型コロナウイルスに罹患した30代の記者は、39度を超える発熱と強烈な喉の痛みに襲われた。
新型コロナウイルスに罹患したのは、おととしに続いて2度目だったが、前回よりも強い痛みが数日続いたという。
変異を繰り返す新型コロナウイルス…現在見られる症状について、新潟市の鈴木内科小児科医院の鈴木紀夫医師は「発熱が一番メインだが、それに伴って喉の痛み、せき、鼻水とかいわゆる感冒様症状・風邪症状を伴っているというのが今の症状」と話す。
一方で、これまでとは違う状況も見られているという。
「いわゆる今の新型コロナウイルスの感染症が起こっても、まず肺炎になることはほとんどないと言われている」
新型コロナ治療薬 4月から自己負担増…
鈴木医師は新型コロナウイルスの患者には、主に抗生物質と風邪症状を抑える薬を処方しているという。
罹患した記者も病院からもらった風邪薬や痛み止めを服用し、5日ほどで症状が消えたという。
一方で、鈴木医師は、がん治療をしている人や80歳以上の人などには新型コロナの治療薬が有効だとしている。
その新型コロナの治療薬については、4月から自己負担額が大きく変わっている。
3割負担で5日分の薬が処方される場合、3月末までは9000円だったが、4月からはゾコーバで約1万6000円、ラゲブリオは約2万8000円、パキロビッドでは約3万円の自己負担となる。
鈴木医師も「気軽に出せる薬ではなくなった」と話す。
また、ワクチンについてはこれまで国の「特例臨時接種」だったが、4月からインフルエンザと同じ「定期接種」の位置づけに。
秋から冬にかけて行われる定期接種の対象者は65歳以上の高齢者と60歳~64歳の重症化リスクの高い人で、厚労省は接種の自己負担額を7000円程度になると示している。
新型コロナ以外の感染症に注意
一方で、鈴木医師は「今後、新型コロナの流行が下火になり、他の感染症が流行する」と話す。そして警鐘を鳴らすのは、新型コロナウイルス以外の感染症だ。
「今はむしろアデノウイルス、溶連菌、インフルエンザ、ヒトメタニューモウイルス、春に流行る感染ウイルスがこれから保育園で春の風邪がわっと増えてくる。今度こそ増えると思う。今年入園する子たちは、いわゆる春の風邪の洗礼を受けるのではないか」
改めて、発熱などの症状がある場合や具合が悪い時にはマスクの着用や外出を控えるなど基本的な感染症対策を行うことが重要だ。