新潟駅の“横断禁止問題” バス専用道路の“横断者”後を絶たず…見通しの甘さ露呈も「横断歩道の設置は困難」

2024年3月末に開業した新潟駅直下のバスターミナルではバス専用道路を横断する人が後を絶たず、問題となっていた。新潟市は4月に案内表示を増やす対策を講じたが、人々の行動は変わったのか。開業から2カ月経ったバスターミナルを取材した。

バス専用道路 横断禁止のはずが…

新潟駅の新しいバスターミナル開業から3週間ほどが経った4月24日。

横断が禁止されているバス専用道路を横断する親子や横断しようとする女性の姿が見られた。

バスターミナルを横断する親子(4月24日)

バスターミナルを横断する親子(4月24日)

 

新バスターミナルの平日のバス発着台数は約2600台。ほとんど休みなくバスが往来しているため、バス専用道路の横断は非常に危険だ。

反対側の乗り場や店に向かうためには、エスカレーターや階段を使って駅2階を経由するか、回り道して横断歩道を利用する必要がある。

 

新潟市は案内表示増やし対策

バスターミナルの横断問題を受けて、当初数カ所だった横断禁止の表示を4月下旬に約30カ所まで増やす対策をとった新潟市。

 

現場を視察した中原八一市長は「以前に比べて、横断をする人たちが少なくなっているということなので、徐々に理解も浸透し始めているのではないかと思っている」と話した。

対策後も横断者が…「全く効果ない」

しかし、取材した日もバスが往来する中で横断する姿が見られた。

 

バスターミナルで働くスタッフも「全く効果がない」とした上で、「目の前にバスがいる。お店もできた。そうすると、2階に上って下がるのができないのか嫌なのか直接歩いてしまう」とその現状について話した。

 

バス利用者は「分からなかった」「看板をつくってからは少し減ったような気がする」「確かに危ない。だけど、それは市がなんとかするべき。年寄りには長い距離の移動は無理」などの声が聞かれた。

見通しの甘さ露呈も…事故防止へルール遵守を!

バスターミナル開業から2カ月。

案内表示を増やしても横断ゼロにはつながらない中、新潟市の中原市長は「広場管理者・交通事業者との過去の協議の結果、横断歩道の設置は困難だと判断した。結果について現在も認識に変わりはない」との見解を示した。

新潟市 中原八一 市長

新潟市 中原八一 市長

新潟市は新潟駅の新たなデッキが完成すれば動線が増えると説明しているが、完成は2年後。

開業前の見通しの甘さが露呈した形だが、完成した以上は事故を起こさないためにもルールを守ることが重要だ。