2500g未満で生まれた“低出生体重児”の成長記録を!『リトルベビーハンドブック』

体重2500g未満で生まれた低出生体重児の成長を記録する母子手帳のサブブック「リトルベビーハンドブック」。現在、多くの県で導入が進められていて、新潟県版も4月1日に配布が始まっている。実際に手に取ったお母さんの声を聞いた。

リトルベビーハンドブック新潟版完成

4月12日、長岡市役所を訪れた栞里さん親子。

この日は、3月に1歳を迎えた長男のために、リトルベビーハンドブックを受け取りに来た。栞里さんにとっては、念願の瞬間だ。

リトルベビーハンドブックを受け取る栞里さん親子

リトルベビーハンドブックを受け取る栞里さん親子

栞里さん:
先輩ママさんたちの想いが詰まったリトルベビーハンドブックなので、さっそく家に帰って書き込むのが楽しみ

3月13日、新潟県庁でリトルベビーハンドブックの配布に向けた最終調整が行われていた。

こめっこくらぶ 松浦あかねさん:
本当に、こんなに早く導入できると思ってなかったのでうれしい

こめっこくらぶ 倉嶋里歩さん(左)・松浦あかねさん(右)

こめっこくらぶ 倉嶋里歩さん(左)・松浦あかねさん(右)

低出生体重児とその家族からなるサークル「こめっこくらぶ」の代表を務める松浦あかねさんと倉嶋里歩さん。

2人とも、体重1000g未満の“超低出生体重児”で生まれた子どもを育てている。母子手帳とリトルベビーハンドブックの大きさをそろえ、母子手帳ケースにしまいやすくするなど、自らの経験をもとに、使いやすさを考え、県と入念な打ち合わせを重ねてきた。

新潟県と打ち合わせを重ね、リトルベビーハンドブックを作成

新潟県と打ち合わせを重ね、リトルベビーハンドブックを作成

こめっこくらぶ 倉嶋里歩さん:
比較する要素がないように作った。ゆっくりでも、自分の子どもの成長をパパとママ自身が近くで見守っていけるようなものになっていると思う

県福祉保健部 健康づくり支援課 青木登志美さん:
新潟県でも、子育て支援に力を入れてやっていこうという中、リトルベビーハンドブックをたくさんの人に知ってもらうことで、社会全体で子育てを応援しているというメッセージになる

母子手帳との違いは?

1年以上かけて完成したリトルベビーハンドブック。

814gで予定より3カ月早く生まれた栞里さんの息子。これまで書き込んでいた母子手帳を見ると…

栞里さんの息子

栞里さんの息子

栞里さん:
生まれたとき800gだと、スタートが枠外になってしまう。毎回「私は早く産んでしまった」ということと向き合っていかなくてはいけないというのが、少なからずある

〈母子手帳〉体重を記録するグラフの目盛りは1kgから

〈母子手帳〉体重を記録するグラフの目盛りは1kgから

一方、リトルベビーハンドブックは身長のメモリは20cm、体重の目盛りは0gから設定されている。

〈リトルベビーハンドブック〉体重の目盛りは0gから

〈リトルベビーハンドブック〉体重の目盛りは0gから

栞里さん:
この子なりのペースで大きくなっていることを楽しく書けるのは、親としても前向きに育児に取り組める

さらに…

長谷川珠子アナウンサー:
母子手帳は、月齢によって、お座り・寝返りができるか「はい」「いいえ」で記録しますが、リトルベビーハンドブックは、その子の成長のペースに合わせて、できるようになった日付を書き込みます。これは、お母さんの心のケアにもつながっています

お座り・寝返りなど、できるようになった日付を書き込む

お座り・寝返りなど、できるようになった日付を書き込む

栞里さん:
振り返ったときに、「このくらいの時期にできたんだな」とか「いっぱいできるようになったな」とか、開くのが楽しみになる

子どもの成長を前向きに喜べるハンドブックへ。

栞里さん:
「普通という枠」をつくらずに、成長を見守ることの大切さを知ることができると思う