通学中に橋の欄干に立つ男性発見
3月、阿賀野川にかかる新潟市北区の松浜橋で…
杉山萌奈アナウンサー:
女子高校生は橋の上で立ち尽くす男性のそばを通り過ぎますが、振り返ってみると、男性は橋の欄干の向こう側に立ち、今にも手を離そうとしていたということです
自転車で通学途中だった高校3年生の井口綾乃さん。橋の欄干を乗り越えて飛び降りようとしている50代男性を見つけると…
井口綾乃さん:
私のほうをチラチラ見ていたので、何かあるのかな?と。「あ、やばい」と思って、自転車を置いて走ってきた
井口綾乃さん:
手をつかんで「ダメだよ」と。自分が手を離したら、相手が落ちてしまう感じだったので、必死に手をつかんだ
井口さんは男性の手をつかみ、「落ちちゃダメ」と叫んだが、男性は「ダメ」と訴えに応じなかったという。
井口綾乃さん:
しばらく、「落ちちゃダメ」「ダメ」とずっとやりとりしていたら、諦めて上がってきてくれた
「体感的には、長い時間粘った」と振り返る井口さんの説得の末、男性は橋の上の歩道へと戻ってきた。顔を見て、外国人だと分かると…
井口綾乃さん:
相手に英語OKか聞いたら、「ポルトガル語」と教えてくれた
そこでとった行動が…
井口綾乃さん:
「Que idade(何歳?)」と言ったら、答えてくれた
井口さんが使ったのは、スマートフォンの翻訳アプリだ。
井口綾乃さん:
授業で英語を翻訳するときに使っていて、これ使えるかもと思った。スマホをよくいじっていて、スマホのことをよく知っているからできたかなと思う
(Q.スマートフォンを操作する手は?)
井口綾乃さん:
震えていた、足もガクガク
井口さんは「年齢はいくつか」「どこの国の人なのか」「住んでいる場所はどこか」など、翻訳アプリを通じて、他愛のない会話をすることで男性を落ち着かせ、土手まで移動。そこで警察に通報したという。
勇気ある行動と機転の利いた対応で男性の命を救った井口さんには、警察から感謝状が贈られた。
井口綾乃さん:
ほっとして気付いたら涙が出ていた。相手も泣いていて、私も泣いていた。結構、私がフレンドリーなほうで、たくさん色々なことを話したのが大きいかなと思う
(Q.男性から何か言われた?)
井口綾乃さん:
「心が優しい」と言われた
救助のウラにあった父の教え
また、迷わず人命救助出来た理由については…
井口綾乃さん:
お父さんは「つらいことがあっても、死ぬのだけはダメ」という教えなので、その影響があるのかなと。うまくできたかは分からないけど、自分なりに頑張って、相手が死なずによかった