8本の国道が交差 新潟市にひそむ”日本一の交差点” 100年以上前の公衆電話発祥の地も

「私たちの身近にはすごい情報が点在しています。しかし、スマホを見ているため、その凄さに気づかないのです」。バズタイムズディレクターの鈴木凛々花さんは、新潟市の街中でそう語りかけます。その視線の先には、驚くべき歴史の証人が静かに佇んでいました。

道路元標

1桁国道も集結する”8本の国道”

「なんだこれは」。鈴木さんが足を止めたのは、一見すると何の変哲もない石碑のような存在。新潟市道路元標と呼ばれるその場所は、実は驚くべき特徴を持っていました。

「ここ十字路なんですけれども、国道がなんと、なぜか8個もあるんですよ、8個」と鈴木さん。この交差点には、7号線、8号線、17号線、113号線、116号線、289号線、350号線、402号線の計8本の国道が集まっています。特に注目すべきは、日本の大動脈とも言える1桁国道が2本含まれていることです。

「日本の主要幹線、いわゆる1桁国道、すごい国道があるってことです。中でもトップクラスの国道がここに集まっている」

本物のディレクターに言われ興奮する鈴木凛々花さん。この8本もの国道が交差する場所は、高知市県庁前交差点と並んで「日本一の交差点」と呼ばれています。

海の上を走る”幻の国道”も

取材を進める中で、さらに興味深い発見がありました。「国道350号線は海上国道と言われていて、佐渡と本州を結んでいる国道になる」。この特殊な国道は、カーフェリーによって海上を結ぶという独特の形態を持っています。「なんだかすごいな」という素直な感想が、この国道の特異性を物語っています。

100年以上前の”通信革命”の跡地

「ここ新潟の街には、すごい、すごい大発見がたくさん隠れているのかもしれない」。そう語る鈴木さんは、NGT48劇場から近い弁天公園へと場所を移します。

そこで目にしたのは、「新潟初の公衆電話設置の地」という石碑でした。1907年(明治40年)、今から100年以上前に初めて新潟で設置された公衆電話の跡地です。現在は公園となっているこの場所、実は当時の新潟駅があった場所だったのです。

現在も公園には公衆電話が設置されており、取材では実際に使用も試みました。生まれて初めて公衆電話を使う鈴木凛々花さん、使い方がそもそも分かりませんでした。「10円でどれぐらいかけられるかな」という興味から始まった実験では、市内の固定電話には56秒、携帯電話では15秒の通話が可能だということが分かりました。

生まれて初めての公衆電話

「この公衆電話、スマホがあるとなかなか使うことはないんですけれども、救急の時にもう電話をバッとかけれる、すごいなと思いました」

救急車・消防車 非常時は無料でかけられる

現代でも災害時の緊急連絡手段として重要な役割を担っているのです。

新潟市のこの一帯は、交通と通信の歴史が刻まれた特別な場所です。普段何気なく通り過ぎている街角に、実は私たちの知らない歴史の物語が眠っているのかもしれません。そして、その物語は現代の私たちの生活にも、確かな形でつながっているのです。

 

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