遊んで・飲んで自然満喫!“植欲”満たし癒やされる公園 「完成を決めず進化していく場所に」【上越市】

約7000㎡の雑木林を公園に!自然を満喫してもらおうと、夫婦が作った公園が新潟県上越市にある。植物を通して癒やしと活力を与えようと活動する夫婦を取材した。

コーヒーとドライフラワー楽しめる店

上越市岩木にあるログハウス風の建物。

この、「VINCULO(ビンクロ)」で販売されているのが、浅煎り豆を使ったコーヒー。

VINCULO たくやさん:
私はコーヒーが飲めなかった。浅煎りのコーヒーを飲んで、「こんなにフルーティーでおいしいんだ」と気付いてから、自分で焙煎して提供している

VINCULO たくやさん

店主のたくやさんが淹れるコーヒーとともに楽しめるのが、たくやさんの妻・ひろみさんが作るドライフラワー。

たくやさんの妻・ひろみさん

VINCULO ひろみさん:
ドライフラワーは、茶色いイメージを持つ人が多いけれど、鮮やかな色が残るものもある

色鮮やかなドライフラワー

店内のドライフラワーには、飾り方に秘密があるのだとか。

ひろみさん:
見上げるドライフラワーのお花畑。人は見上げることで笑顔になりやすい。笑顔のほうが人は元気になる

ドライフラワーと浅煎りコーヒーで訪れる人に幸せを届ける夫婦の店は、2021年9月にオープンした。

たくやさん:
「上越は何もない」という声をたくさん聞いて、「ないなら作ってみよう」と思った

自然を楽しみ癒やされる公園

たくやさんが生まれ育った上越市に「みんなで楽しみ、自慢できるものを」と、店の敷地に作ったのが「VINCULO.Park(ビンクロパーク)」。

VINCULO.Park

「VINCULO(ビンクロ)」は、スペイン語で「絆」を意味する。

たくやさん夫婦は、2019年に雑木林だった7000平方メートルほどの土地を買い、仲間に協力してもらいながら公園に造成した。

整備する前の雑木林

たくやさん:
公園の完成を決めないで、作り続けて進化していく場所

キャンプなどには利用料金が必要だが、遊ぶだけなら整備費として募金に協力すれば、誰でも気軽に楽しめるビンクロパーク。

たくやさんの妻・ひろみさんが「子どもたちが遊べるように」と、設置する板は、もともと、この土地に生えていた木を利用したもの。

ひろみさん:
子どもたちが渡りやすいように設置しておく

板を渡って遊ぶ子ども

この公園にブランコや滑り台はないが、周りの自然が訪れた人と遊んでくれるのだ。

利用者:
自然のもので子どもが遊ぶので、遊具がなくても楽しめる

利用者:
鳥の声とかも聞こえて、すごく癒やされる

たくやさん:
“しょくよく”と聞くと、食べる食欲だと思われるけど、私たちがやっているのは「植欲」。植物を通して、癒やしと活力を感じてもらえたら

ドライフラワーを味わえるドリンク!

ひろみさんが育てているのは、ドライフラワーの材料にも使える植物。

意外なことに、ひろみさんは…

ひろみさん:
もともと、夫が花や植物を育てるのが好きで、私は植物に興味がなかった

夫のたくやさんと暮らす中で、自然や植物の美しさ・生命力を知り、ドライフラワーについて学び始めたひろみさん。

ひろみさん:
今では、道に咲く小さな花も「かわいい」と思うようになって、心の感じ方が変わって豊かになった

そんな夫婦が試作していたのは、ドライフラワーを使ったソーダ。

食べることができるドライフラワーを使い、味わいも含めて自然を満喫してもらう考えだ。

ひろみさん:
バラは癒やし効果がある

たくやさん:
マスカットのような甘酸っぱさがあって、香りもいいので、飲んだあと「癒やされたな」と思えるドリンク

ドライフラワーは、常識の範囲内でお客さんが自由に入れる楽しみも。

お客さん:
とても贅沢

その味わいは?

お客さん:
心も体も満たされるというか、癒やされる

「時間かかっても…」成長続ける公園

遊んで・飲んで・自然を満喫してほしい…、夫婦が手掛ける店と公園をつなぐのは、雪の積もる上越で、あえて外に植えたサボテン。

たくやさん:
3年、雪を経験して育っているので、サボテンの生命力はすごい

新型コロナウイルスにより、人との距離を問われる中で準備を進めてきた夫婦の公園。

たくやさん:
一生懸命やっていれば、花も咲かせてくれる。時間はかかっても、少しずつ成長していけたらと思う

きょうより、あすが少しだけ成長できるように…

たくやさん:
やり続けて、みんなに満足してもらう、楽しんでもらう

いつまでも完成しない夫婦の公園は新緑の季節を迎えている。