取材に協力してくれたのは、明治16年に創業し130年以上の歴史を持つ老舗、笹川餅屋の6代目・笹川太朗さん。
笹川餅屋6代目 笹川さん:
笹団子は、地域によって結び方が違うんです。新潟県内でも、村上や新発田・上越などの城下町で作られた笹団子は、真ん中は縛らずに両端だけを縛ったものがあるんです
笹川餅屋6代目 笹川さん:
なぜ城下町だと真ん中を縛らないか、わかりますか?
桶屋アナ:
縁起が悪いとかですか?
笹川餅屋6代目 笹川さん:
諸説ありますが、真ん中を縛ることは「切腹」をイメージさせるからと言われています。
笹川餅屋がある新潟市は城下町ではないため、上下と中心部分も縛っている笹団子を作っている。
笹団子の上手な食べ方は?
ヨモギの風味と、優しいあんこの味わいが美味しい笹団子だが、モチモチした生地が笹にくっつきがちだ。
桶屋アナは笹団子を食べる時、全ての笹の葉をはがしてから食べていたが…
笹川餅屋6代目 笹川さん:
笹団子の笹は、バナナの皮をむくようにはがすと手が汚れず食べやすいです。笹の葉の繊維に沿って細かく裂くようにすると、笹についた団子もはがしやすくなります
桶屋アナ:
知りませんでした。確かに食べやすいですね
笹団子はなぜ”ヨモギ”?
上手に笹の葉をむけたところで、いざ実食。
桶屋アナ:
笹の香りが良く、ちょうどいい甘さですごくおいしいです。ところで笹団子の生地には、なぜヨモギが使われているんですか?
笹川餅屋6代目 笹川さん:
ヨモギは一年を通して採りやすく、保存しやすいからだと思います。ちなみに、団子の生地に笹の葉を粉にして練り込んでも、笹の香りはほぼ出ません
今ではあんこをヨモギ生地で包んだものが多く見られ、和菓子として食べているが、昔はきんぴらなどのおかずを包んで主食として食べていたともいわれている。
”なぜ”笹団子が生まれたのか
笹川餅屋6代目 笹川さん:
昔は良いお米を年貢として納めていました。手元には多くの「くず米」しか残らず、それを食べるための工夫で生まれたのが笹団子だと、祖父(笹川餅屋4代目・勇吉さん)から聞きました
他にも、笹には殺菌作用があることから、上杉謙信が携帯食にするために作らせたなど、諸説あるようだ。
笹団子が”なぜ”新潟名物に?
桶屋アナ:
昔から笹団子は新潟名物として知られているんですか?
笹川餅屋6代目 笹川さん:
基本的に、笹団子は家庭で食べる郷土食でした。新潟名物になった「きっかけ」があるんです
SNSもない時代に、全国に知れ渡った理由とは…
笹川餅屋6代目 笹川さん:
昭和39年(1964年)の新潟国体がきっかけになり、笹団子が全国に知れ渡ったんです
全国から選手や関係者が集まる国体が開催される際に、「お土産になるものを紹介したい」と新潟県と新潟市から笹川餅屋4代目・勇吉さんに相談があったという。
そこで勇吉さんが笹団子を提案したことで、県と市の推薦土産品になり、全国に知れ渡ったという。
桶屋アナ:
笹団子のルーツを知ることが出来ました
お土産に笹団子を持って行く際は、そのルーツや上手な食べ方を伝えると会話が弾みそうだ。