新潟県新発田市にある月岡温泉は、大正4年に開湯したと言われる新潟県有数の温泉地で、プロが選ぶ「にっぽんの温泉100選」にも例年ランクインするほどの場所だ。
月岡温泉には、温泉宿が建ち並ぶエリアから少し離れた場所に、地元の人たちも通う人気の日帰り温泉施設「共同浴場 美人の泉」がある。
まず驚くのが、建物の周辺に漂う温泉の香りだ。
それもそのはず、月岡温泉は日本有数の硫黄成分の含有量を誇る温泉なのだ。その泉質から「美肌の湯」としても知られている。
浴室に近づくほど濃くなる香りは、温泉にあまり馴染みがない人にとっては「臭い」と感じるかもしれない。それほど濃い香りなのだ。
香りの次に驚くのが、透き通ったエメラルドグリーンのお湯の色。
この色は月岡温泉の泉質「硫黄泉」によるもので、温泉水が空気に触れることで色が変わるり、日によって色の濃さが違うのだという。
視覚的にも楽しいエメラルドグリーンのお湯は、トロリとなめらかな感触で心地よく浸かっていられる湯加減だ。
この「共同浴場 美人の泉」には、男女それぞれの内湯のみで露天風呂はない。
取材に訪れたこの日も地元の人々が多く、「朝風呂にゆっくりと浸かってから、施設の休憩所で持参した昼食を食べて帰宅する」と話してくれた。
この月岡温泉は「美肌の湯」で知られる一方、「日本一まずい温泉」とも言われている。
共同浴場のすぐ近くには、月岡温泉発祥の地と言われる「源泉の杜」がある。ここは飲泉所が併設されていて、”香りが濃いエメラルドグリーンの温泉”を飲むことができる。
浸かっても飲んでも体にいいと言われる月岡温泉だが、”噂に違わず”そして “良薬口に苦し”を実感できる味だ。ぜひ月岡温泉を訪れた際には浸かるだけでなく、飲泉にもチャレンジしてほしい。