上越市高田の日本一古い飴菓子店『高橋孫左衛門商店』で「べらぼう」ゆかりの元祖ベストセラー作家の逸話【#潟ちゅーぶ 6月14日】

■城下町 高田のレベチな歴史

雁木の街並みにJOYさん見参

「今週こそが本物のヒストリーです」――。大塚七海(NGT48)の力強い宣言から始まった今週の『潟ちゅーぶ』。ネットで噂の新潟のスキマを探すJOYと大塚が訪れたのは上越市の城下町・高田である。雪国らしい雁木が連なる美しい街並みには日本一の歴史がいくつも眠っていた。

■創業401年!日本一古い飴菓子店

日本で一番長い歴史を持つ飴菓子店

今回のテーマは、まさに“レベチ(レベルが違う)のヒストリー”。まず訪れたのは上越市南本町の旧北国街道沿いに店を構える「高橋孫左衛門商店」

威風堂々たる老舗の看板

創業はなんと江戸時代初期の1624年(寛永元年)、徳川家康の六男・松平忠輝が高田城を築いた10年後だ。創業から401年という日本で最も長い歴史を持つ飴菓子専門店。出迎えてくれたのは店主の娘さんの園子さん。

店主の娘さん髙橋園子さん(中央)

■園子さんが「孫左衛門」に!?

園子さんが「孫左衛門」に改名?

高橋孫左衛門商店は店主が代々「孫左衛門」の名を受け継いでいる。園子さんのお父様が14代目の高橋孫左衛門さん。ゆくゆくは園子さんも15代「高橋孫左衛門」を名乗るという。驚くべきことに戸籍上も「孫左衛門」になるのだ。

女性なんですが「髙橋孫左衛門」に?

JOYが「マジで戸籍も変えるんですか?」とたずねると「はい、マジで変わるんです」と園子さん。歌舞伎の名跡さながらに受け継がれる老舗の伝統に二人は冒頭から圧倒される。

■江戸の元祖ベストセラー作家絶賛

十返舎一九(1765~1831年)

この店の歴史的な逸話がとにかくすごい。弥次さん喜多さんの『東海道中膝栗毛』で知られる江戸時代後期の元祖ベストセラー作家 十返舎一九が記した『金草鞋(かねのわらじ)』の中でこの店の飴を絶賛するエピソードが記されているのだ。十返舎一九は実際に店に滞在しており、店内に飾られた本の差し絵が店の歴史の長さを物語る。

江戸時代の店の様子が生き生きと描かれる

■十返舎一九のパクリ潰しの技

ところでその差し絵にはちょっとした『秘密』がある。店の屋号の「一」の字が縦に描かれているのだ。実はこれは当時横行していた“パクリ作品”を見分けるために十返舎一九が仕掛けた巧妙な「罠」だったという。

本物の屋号(左)一九の挿絵(右)これは罠

実際に全国を旅して現代で言う「旅行エッセイ」の先駆けとなる作品で庶民に親しまれ、大ヒット作を連発していた超売れっ子作家の一九。当然、江戸の街ではその人気に便乗した「コタツ記事」が世に溢れたが、あえて現地を実際に訪れないとわからない要素を仕込むことで『パクリ作品を摘発』していたのだ。

『金草鞋』は全巻セットもあった

今年の大河ドラマ「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎に才能を見出された十返舎一九。現代メディアと変わらぬクリエイターの知恵とプライドがぶつかる熾烈な戦いにJOYも「面白いね!」と感心しきり。

江戸時代も現代と同じく厳しいのだ…

■お殿様の手土産「粟飴」とは

昔話に出てきそう瓶に入っている粟飴

高橋孫左衛門商店の飴菓子は高田藩15万石 榊原家の歴代藩主が参勤交代の際には江戸への手土産にした

江戸時代から変わらぬ琥珀色の粟飴

看板商品は新潟県産もち米と麦芽のみで作られる「粟飴(あわあめ)」。砂糖を一切使っていないにも関わらず、その濃厚な甘さにJOYは「え、これ砂糖ゼロ!?」と驚愕の表情。原材料のもち米の自然な甘みが凝縮された、まさに“元祖”の味わいである。

砂糖を使っていないのに甘い!

■高田の超オススメ土産「翁飴」

もちネチ食感でJOYさんも絶賛の『翁飴』

もう一つの名物「翁飴(おきなあめ)」は、水飴を寒天で固め、乾燥・熟成させたもの。モッチネチとした独特の食感はまるで“和風グミ”のよう。JOYは「これ、お土産に絶対喜ばれる!」と目を輝かせていた。

まるでベルギーの高級チョコのよう

■夏目漱石に大久保利通も…

さらにあの文豪 夏目漱石の『坊っちゃん』にも登場する「笹飴」もこの店の名物の一つ。日本の文学史にもその名を刻む飴が今も高田で作り続けられているのだ。

『坊っちゃん』にも登場する笹飴

店舗2階の展示室には、明治10年に開かれた第1回内国勧業博覧会に飴菓子を出品した際に、明治政府から品質や製法の優秀さを称えられた褒状が飾られている。

なんとその褒状を記したのは当時の内務卿で明治維新の立役者・大久保利通。城下町の老舗には教科書の中の偉人たちの逸話が数多く残っている。

■実はロケ当日に”お殿様”も

撮影中にスタッフにお茶を差し入れてくれた園子さんのお母様によるとロケ当日の午前には「”榊原の殿様”もお店に顔を出してくれた」とのこと。

高田藩主 榊原家の家紋

実はその日は江戸時代に高田15万石を治めていた譜代大名である旧藩主・榊原家の現在のご当主を迎えた会合があり、そのため14代目孫左衛門さんもご不在なのだとか… 400年という長い歴史はただの時間だけではなく、今も城下町に息づいていることを感じるJOYさんと大塚なのであった。

現代もお殿様がふらりとやってくるのだ

【店舗情報】高橋孫左衛門商店:新潟県上越市南本町3-7-2

http://www.etigo-ameya.co.jp/

近日公開の後半では高田にある日本最古の映画館「高田世界館」を紹介する

■昭和100年の100年続く工場へ

『バズタイムズ』のコーナーでは、今年が昭和元年(1926年)から数え「昭和100年」ということにちなみNGT48 鈴木凛々華が100年続く新潟の老舗企業を訪ねる。

NGT48 鈴木凛々花

金物の町・燕市にある爪ヤスリメーカー「吉田ヤスリ製作所」。職人が一本一本ヤスリの目を打ち込む「目立て」という伝統技術を間近で見学した鈴木は、「すごい…」とただただ感動。「トップアスリートも愛用している新潟のモノづくりの魂に触れる。

『潟ちゅーぶ』は毎週土曜 午前11時20分からNST新潟総合テレビで放送中。見逃し配信はYouTube「だいすき!にいがた!チャンネル」

ラーメンなのか蕎麦なのか?谷村新司さんも愛した味…上越市・直江津のソウルフード塚田そばの「かけ中か」【潟ちゅーぶ6月7日放送分】

1泊で30万円!?新潟・寺泊の超豪華なサウナ付き貸別荘ホテル VILLA VOIX(ヴィラ ヴォワ)がスゴい【#潟ちゅーぶ 5月31日放送】