8月2日、3日、長岡の夜空を彩る大輪の花火。その感動をさらに深く刻みたいなら、ラーメンを食べてから会場へ向かうのが正解かもしれません。生姜が暴れるスープと麺の組み合わせに溺れる一杯。鶏と鴨の旨味が溶け出した醤油ベースのスープに主役の麺が絡みつく一杯。押しも押されぬ長岡生姜醤油ラーメンの代表格を名乗る一杯。どれも美味しさが保証された、花火の日にこそ食べたいラーメン店を3店舗紹介します。花火とラーメン、どれも“長岡らしさ”を味わえる素晴らしい体験になること間違いなしです。
生姜が暴れるスープ「しょうがの海」
長岡市にある「しょうがの海」は、店名からしてインパクト抜群。店内に一歩足を踏み入れた瞬間、強烈な生姜の香りが鼻を突き、カウンターに座る前から期待が高まります。運ばれてきたラーメンは、チャーシューが丼を覆い尽くすように盛られた一杯。その下から顔を覗かせる琥珀色のスープは、生姜の香りが立ち上り、食欲を刺激します。
スープを一口すすった瞬間、「うわっ、生姜がすごい」と思わず声が漏れる。生姜の辛味がガツンと効いた醤油ベースのスープは、キレがありながらも後味はすっきり。何度もすすりたくなる中毒性のある味わいで、真夏でも体の芯から温まります。
麺は細めのストレート。生姜の風味をしっかりと絡め取り、口の中で小麦の香りと生姜の刺激が踊ります。そして特筆すべきはチャーシューです。ウデ・肩・モモ・バラと部位別に盛られており、それぞれ味も食感も異なります。一杯で何度も驚かされる構成で、まさに職人技が光ります。
さらに驚いたのは、サイドメニューの炒飯。160円という目を疑う価格。「えっ、これ普通のサイズですよね?160円でこれですか?」と思わず声が出てしまうほどのボリューム。パラパラ系でラーメンとの相性も抜群です。あっさりした味付けが生姜醤油ラーメンと絶妙にマッチする。「しょうがの海」は、五感で楽しむラーメン店。花火前の高揚感をさらに加速させてくれる一杯です。
店舗情報
店名:しょうがの海
住所:新潟県長岡市小曽根町135
営業時間:営業時間11時〜15時。17時から20時半LO 土日祝は通し営業
定休日:休み無し
駐車場:あり(台数に限りあり)
麺が主役の一杯「雨龍」
「雨龍」は、長岡市にある製麺に命を懸けるラーメン店です。店主は三代続くラーメン職人一家の三男。祖父も父も弟もラーメン店を営むという、まさにラーメン界のサラブレッドです。中学時代の夏休みには、足を骨折しているにもかかわらず麺打ちを手伝わされたというエピソードもあるほどです。
店主が一番こだわっているのは「小麦」。「うちのプライベートブランドは、新潟の地粉と北海道の“春よ恋”を混ぜたもの」と語ります。新潟県産小麦はパン用に使われることが多く、ラーメンには不向きとされてきたが、「ちょっと硬くてざらざらしている。使いこなせないからやめたほうがいいと言われたが、そんなことを言われたらゾクゾクする」と、あえて挑戦したそうです。
麺は店主自ら製粉した小麦を使い、毎朝4時から製麺。表面がほんの少しざらりとしているため、スープがよく絡み、麺だけでもスープの香りをしっかり感じられます。「ぱつんぱつんと歯切れの良いコシのある麺。スープがよく絡んで、麺だけでも香りがしっかり感じられる」と評されます。
スープは鶏と鴨の旨味が溶け出した醤油ベース。低温調理された鶏と豚のチャーシューがトッピングされ、麺の存在感を引き立てます。「雨龍」は、ラーメンの主役は麺だと教えてくれるお店です。花火の日に、職人の技と情熱を感じる一杯を味わってみてはいかがでしょうか。
店舗情報
店名:麺や 雨龍(うりゅう)
住所:〒940-0832 新潟県長岡市曙1-2-15
営業時間:
月・木11:00 – 14:30
火・水・金・土・日・祝日 11:00 – 15:30 17:00 – 20:00
定休日:第1月曜日
地元民が通う名店「たいち」
「たいち」は、言わずと知れた長岡市で地元民に愛される生姜醤油ラーメンの名店です。新潟5大ラーメンのひとつ「長岡生姜醤油ラーメン」の代表格として知られ、昼時には地元の常連客で賑わう人気店です。店内は落ち着いた雰囲気で、観光客にも優しい接客が印象的。券売機の前で迷っていると、スタッフが丁寧にメニューの説明をしてくれます。「たいち」は、初めての長岡ラーメン体験にもおすすめできるお店です
スープは生姜の風味がしっかり効いた醤油ベース。一口目から生姜の香りが鼻を抜け、体の芯から温まります。「このスープ、奥深さがある。生姜の効き方が絶妙」との声もある。麺は太すぎず細すぎず、絶妙な太さでスープとのバランスが秀逸。「細すぎるとスープに負けるし、太すぎると重くなる。その中間を狙った麺」と店主は語ります。チャーシューは脂身と赤身のバランスが良く、しっかりとした味付けが特徴です。部位によって食感が異なり、食べ進めるごとに新しい発見があります。
「たいち」は、王道の生姜醤油ラーメンを味わいたい人にぴったりのお店です。花火の日のランチや夕食に、長岡の味をしっかり堪能できる一杯です。
店舗情報
店名:たいち
営業時間:11:00〜20:00
(土日祝日は10:00〜20:00)
※材料なくなり次第終了
堺東町店
住所:新潟県長岡市堺東町50
電話: 0258-29-3259
定休:毎週木曜日
蓮潟店
住所:新潟県長岡市蓮潟1丁目17番地24号
電話:0258-86-6655
定休:毎週水曜日
花火とラーメン、どちらも主役
長岡花火の日は、街全体が特別な空気に包まれます。そんな一日だからこそ、ラーメン“いつもの”ではなく“特別”な一杯を選びたい。「しょうがの海」の衝撃、「雨龍」の職人技、「たいち」の王道。それぞれが異なる魅力を持つ3杯を、ぜひ現地で味わってみてください。花火の記憶とともに、ラーメンの味もきっと忘れられないものになるはずです。