新潟県胎内市の養鶏場で鳥インフルエンザが確認された。新潟県内では今季初めての感染確認で、約63万羽の殺処分が始まっている。この鳥インフルエンザが県内で最も猛威をふるったのが2022年度。過去最多となる約257万羽が殺処分された。これは、県内で飼育されている鶏の約36%が殺処分されたことになるが、このとき県内で何が起きていたのか。そしてその後、生まれた変化とは…。
新潟県内で今季初の“鳥インフル”確認
新潟県胎内市の養鶏場で11月3日、約70羽のニワトリが死んでいるのが見つかり、遺伝子検査の結果、高病原性鳥インフルエンザの陽性が確認された。
高病原性鳥インフルエンザの感染確認は今季県内で初めてで、新潟県は養鶏場で飼育している約63万羽の殺処分を開始。完了は11月16日を見込んでいる。
また、この養鶏場から半径3km以内にある養鶏場に対し、ニワトリや卵の移動を禁止し、半径3km~10km以内にある養鶏場に対して区域外への出荷を制限している。
同じ養鶏場では2023年にも鳥インフルエンザの感染が確認され、約68万羽の殺処分が行われている。
今回の63万羽の殺処分は、過去3番目の規模で県内の養鶏場で飼育されているニワトリの約1割にあたるという。
全国で猛威振るった22年度…卵の価格や対策に変化
こうした鳥インフルエンザが全国で猛威を振るったのが、2022年度。県内では5か所の養鶏場で合わせて257万羽のニワトリが殺処分された。
この影響で物価の優等生とも呼ばれてきた卵の価格に変化が…鳥インフルエンザなどによって価格が高騰する状況が近年続いている。
こうした教訓をもとに県内でも対策を強化。
ウイルスを持ち込む恐れが高いとされている渡り鳥の飛来を減らすため、ため池の水を抜く作業のほか、万が一の事態に備え迅速な対応で被害を最小減に抑えられるように訓練なども実施してきた。
佐渡では国の特別天然記念物“トキ”を守る取り組みも
また、県内で今季初めて感染が確認されたことを受け、国の特別天然記念物トキを間近で観察できる佐渡市の施設などでは、消石灰をまくなど感染を防ぐための取り組みが続けられている。
佐渡自然保護官事務所の北橋隆史首席自然保護官は「佐渡ではこれまで鳥インフルは発生していない。このままいけばいいが、いつ発生してもおかしくないと思っているので、万全の態勢を整えていきたい」と話す。
今季1例目が確認されたことで、各地で鳥インフルエンザへの警戒が強まっている。









