出費かさむ年末年始…予算立ての準備は11月中に! ボーナスの使い道をFPが解説「黄金比率は7:3」

2025年も残すところあと1カ月半に迫った。年の瀬となる12月は、クリスマスに忘年会、帰省、旅行などイベントが多く、出費がかさむ時期となる。こうした中、年末年始に向けてどう予算を立てるべきなのか、新潟県長岡市出身のファイナンシャルプランナー・丸山晴美さんに話を聞いた。11月中の準備がカギを握るようだ。

イベント別に予算立て!

1年の中でもお金の出入りが激しくなりがちな年末年始。クリスマスに忘年会、帰省、お年玉や新年会など、「それぞれに何となくお金を使ってしてしまうと、想定以上に出費がふくらみ、新年早々赤字家計の原因にもなる」とファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは指摘する。

ファイナンシャルプランナー 丸山晴美さん

年明けをお金に困らずスタートさせるためにも、それぞれのイベントの予算を立てて優先順位を決めることが重要だ。

① 年末年始のイベントをリストアップ
イベントの日にちが決まっている場合、その日付も入れておくと良い。

② 年末年始全体の予算から、それぞれのイベントに予算を組み込む
この作業をすることで、どのイベントに予算を多く掛けるのかなど優先順位を決めながら予算を立てることができる。

例えば、帰省には予算をしっかり持ちたいから、クリスマスの料理は手作りにして、できるだけ出費を抑えるといったやりくりの方法を考えると良い。

年末年始は“早割”を活用

年末年始に関連したイベントには早割サービスが多くあるという。これらを上手に活用することで、割引になることも。例えば、クリスマスケーキ、おせち、忘年会、新年会の予約、帰省や旅行の交通チケット、年賀はがき印刷がそれにあたる。

「イベントの日にちがあらかじめ分かっていれば、早割も使いやすいし、心に余裕を持って忙しい年末のイベントに臨める」と丸山さんは助言する。

旅行を計画している場合は、できるだけ早く予約をすることが鉄則。年末年始は、ハイシーズンにあたるため、料金も高額となるが、1日早める、遅らせるだけでも料金や空き状況が変わるので、前後の料金チェックも忘れないようにすることが少しでもお得に旅行をするためには重要だ。

また、丸山さんは旅行サイト、移動手段、宿泊方法について3つのポイントを指摘する。

① 複数の旅行サイトを比較する
同じ早割でも、サイトによって価格が異なることがある。

② 移動手段を比較する
飛行機の場合は、大手航空会社の早割や株主優待券、LCC(格安航空会社)のセール便、新幹線なら早割(トクだ値)や新幹線eチケット、高速バスなら複数社を比較検討をして、予算と体力などを考えて移動手段を決める。

③ 宿泊方法を検討する
ビジネスホテル、ゲストハウス、カプセルホテル、民泊など、安い選択肢を優先的に探してみる。その際、ユーザーのコメントなどを参考にして、メリットデメリットも含めて検討をする。予約をする際も、旅行サイトを経由した方が安いのか、それとも直接宿泊施設の公式HPから予約をした方が安いのかもチェックすると良い。

買い出しは“ネットスーパー”で

年末は歳末セール、クリスマスセールなどボーナス商戦が盛んに行われていて、消費が刺激されやすい環境とも言える。

そんな中、丸山さんは「家族で買い出しへ行くと、レジャー代わりになり出費も増えがちになる。そうならないためにも、家にいながら注文ができ、指定の時間帯に配送をしてくれるネットスーパーを活用して、時間とお金の節約を。買い物の時間を節約した分、小分け冷凍や下味冷凍など、“冷凍貯金”をしておくと、自炊がラクになり外食の回数も減らすことができる」と強調する。

日用品などの消耗品や備蓄にもなる飲料やインスタント食品などは、11月中に行われるブラックフライデーや、通販サイトのセールを活用するのも一つの手だという。

年末年始は必要以上に出費をしないように、優先順位をつけながら、よく考えて消費することが重要だ。

ボーナスの黄金比率7:3 とは?

こうした出費がかさむ年末年始を迎える前にやってくるのが“ボーナス”だ。年末年始のイベントの予算にボーナスを充てようという家庭も少なくないだろう。

このボーナスの使い道について、丸山さんは『7:3の法則』に則ることがおススメだという。この『7:3』というのは、『貯蓄:消費』の割合だ。

「ボーナスは貯蓄を増やす大きなチャンス。ボーナス払いなど、ボーナスを当てにした買い物は辞めてほしい。貯蓄ができなくなるので避けるべき。また、ボーナスを月々の赤字補填に使うのも注意が必要である。夏、冬とボーナスが入るごとに生活費の補填に使うサイクルが続いてしまうと、貯蓄が増えにくくなる原因になる」

一方で、住宅ローンでボーナス払いをしている人はその返済を優先し、残った額の7割を貯蓄や投資に、3割を年末年始の出費など自由に使うお金に充てるのがいいという。

出費がかさむ時期に向けて、11月中など早めに予算立てや準備をすることが重要となる。

 

丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。公式HP「らくらく節約生活。」http://www.maruyama-harumi.com

丸山晴美さんに聞きたい!『お金に関する質問』はコチラから

※今後、当サイトにて取り上げる可能性があります

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